パン/パン屋さん取材レポート(東日本)

日本のいいものを提供するベーカリー365日と日本橋

代々木八幡の人気店「365日」が日本橋髙島屋S.C.の新館1階にオープンしました。その名も「365日と日本橋」。産地や生産者の顔の見える、厳選された国産の原材料、自家製の素材を用いてつくられるパンを提供するお店です。

清水 美穂子

執筆者:清水 美穂子

パンガイド

365日をそのまま、日本橋に

店内厨房でつくられたパンは「365日」と同じ顔ぶれ

店内厨房でつくられたパンは「365日」と同じ顔ぶれ

2018年9月25日に誕生した日本橋髙島屋S.C.の新館1階に、代々木八幡の人気店「365日」の日本橋店がオープンしました。その名も「365日と日本橋」。

「365日」は、食の職人、杉窪章匡さんがプロデュース、経営するお店です。
毎日の食事の積みかさねが心と身体に与える影響を考えて食材を選び、ハムやベーコン、スモークサーモンなど自家製できるものはして、パンやお菓子、料理を提供しています。それは、日本各地で良いモノづくりをする生産者を応援することに繋がっています。
対面販売の売り場

対面販売の売り場

杉窪さんは今年、新宿の京王百貨店でも新しいお店「ジュウニブンベーカリー」をオープンしていますが、「365日と日本橋」は「365日」というお店をそのまま日本橋に持ってきた、というところが違います。
米や調味料など、日本各地のいいものが並ぶセレクトショップでもある

米や調味料など、日本各地のいいものが並ぶセレクトショップでもある

店構えも、365日を髙島屋の中に移築したような感じで、イートイン席も10席あります。パンのメニューは一部限定商品以外、365日と同じで、日本各地の食材や本なども販売しています。
 

100%=ソンプルサンと日本橋限定のパン

これははずせない、「100%=ソンプルサン」(上段)

これははずせない、「100%=ソンプルサン」(上段)


365日を初めて体験する方にぜひおすすめしたいのは、「100%=ソンプルサン」(240円)です。フランス語で100%を意味するそのパンは、粉に対する水分量で、もっちりと柔らかなパンです。卵も乳製品も不使用なのにクリーム色でミルキーな味わいがあるのは、使っている小麦粉「キタノカオリ」の性質によるもの。透明性があって、食後の体感も軽快ゆえ、ついつい食べ過ぎてしまうパンでもあります。「ショコラ」(150円)など、ソンプルサンをベースにしたパンもいくつかあるので、ソンプルサンが展開するバリエーションも楽しんでみてください。
もっちりしたカカオ生地にチョコレートを練り込んだ「ショコラ」(左)と季節限定フランボワーズジャムも合わせた「ショコラペパン」(右)

もっちりしたカカオ生地にチョコレートを練り込んだ「ショコラ」(左)と季節限定フランボワーズジャムも合わせた「ショコラペパン」(右)

日本橋限定のパンは現在、4種類あります。
十勝前田農産の「前田さんのキタノカオリ」。ほんのりバターの香り。

十勝前田農産の「前田さんのキタノカオリ」。ほんのりバターの香り。

十勝前田農産キタノカオリを100%使用した「前田さんのキタノカオリ」(200円)、滋賀県大地堂のディンケル小麦を60%使用した食パン「廣瀬さんのディンケル小麦」(240円)、熊本県ろのわのミナミノカオリ70%、ニシノカオリ10%、全粒粉を生かした「東さんのミナミノカオリ」(220円)、そして秋田県新政酒造の酒粕からおこした酒種でつくったパン「新政さんの酒種パン」(220円)です。

こんなふうに、ひとつひとつのパンに、生産地や生産者の名前がついているのも、365日のパンの特長です。フレッシュブルーベリーを食パン生地に包んだ「ブルーミルク」(180円)のような、ありそうでなかったパンも、このお店ならでは。
季節限定、フレッシュブルーベリーの「ブルーミルク」

季節限定、フレッシュブルーベリーの「ブルーミルク」

 

365日と日本橋でイートイン

限定のパンやスペシャリテはイートインメニューにも登場しています。
 

スペシャリテのブリオッシュを入れたアサイーフルーツボール

スペシャリテのブリオッシュを入れたアサイーフルーツボール

アサイーフルーツボール(1000円)は、アサイーピュレにカリッと焼き上げた、365日のスペシャリテのブリオッシュと季節のフルーツ、ドライフルーツ、オートミールなどをトッピングした軽い一皿。練乳はちみつソースを軽くかけるのがおすすめだそうです。ウィークデイの朝は7時半から開いているので、会社へ行く前に、こんな朝食も素敵ですね。

小さな食パン型のブリオッシュ

小さな食パン型のブリオッシュ

ランチタイムなら、お米(三色古代米)かパスタ(ショート)を選べるサラダボウル(野菜スープ付き)などが、ベーカリーのイートインにしては珍しいラインナップ。365日ならではでしょう。ビーガン(動物性食材フリー)、魚、肉の3種類があります。

自家製スモークサーモンの「フィッシュベジタブル」。下はご飯かパスタのいずれかを選べる

自家製スモークサーモンの「フィッシュベジタブル」。下はご飯かパスタのいずれかを選べる

写真は「フィッシュベジタブル」(1300円)。 自家製スモークサーモンとアボカド、マスタード風味の緑野菜、乳酸豆腐クリームとハーブのソース。365日はスモークサーモンやハムなども自家製なのです。

他に、日本橋限定のパンを使ったハムエッグ、アボカドサーモン、フルーツなどのオープンサンド、14時からは、「わらび餅×酒種パン」(1000円)など、和のデザート的なオープンサンドも。

売り場と厨房の間がイートインコーナー

売り場と厨房の間がイートインコーナー


合わせる飲み物は、自然派ワインやクラフトビールがあります。代々木八幡の15℃で自家焙煎している日本橋オリジナルブレンドコーヒー(350円)で〆るのもよさそうです。

奥から時計まわりに、レモンミルクフランス、カヌレ、マフィン、クロッカンショコラ

奥から時計まわりに、レモンミルクフランス、カヌレ、マフィン、クロッカンショコラ

 

良いパン屋さんは良い街をつくる

「良いパン屋は良い街をつくります。日本橋で生活してる人たちが自慢ができるお店にしたいと思っています」と杉窪さんは言います。

日本各地で良いモノづくりをする生産者を応援することは、安心してモノづくりができる環境にも繋がっていくはず。そして、安心して良いモノをつくるパン屋さんは、良い街をつくる。良い循環が生まれるのです。

今回、日本橋に出店したことで、杉窪さんの考える日本のベーカリーの新しいカタチが、よりいっそう多くの人に伝わるに違いありません。
 

365日と日本橋(日本橋髙島屋新館1F)

365日と日本橋(日本橋髙島屋新館1F)


■365日と日本橋
住所:東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋髙島屋 S.C.新館1階
電話:03-5542-1178
営業時間:7:30~20:00(土日祝10:30~)L.O:19:00(ドリンク19:30)
定休日:日本橋高島屋S.Cに準ずる


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

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