世界が注目する「非認知能力」とは? 

子供の「非認知能力」を育むヒント!世界トップが実践する育て方

非認知能力は人生の質に大きく影響を与えます! 


世界をリードするアメリカの超エリート校の教育法が紹介され、日本で大ヒットしている著書『世界最高の子育て』。その「世界最高の教育法」で最も重視されるのが、「非認知能力」を伸ばすことです。「非認知能力」とは、IQや学力テストの点数といった、分かりやすく数値化して測ることのできる「認知能力」以外の力や資質をいいます。

例えば、IQや学力テストの点数がたとえ高くても、失敗や困難にぶつかるとすぐに心が折れてしまうなど、「回復力」や「やり抜く力」が育っていないならば、その子が、何かを成し遂げることは難しいものです。こうした「回復力(レジリエンス)」や「やり抜く力(グリット)」といった、これまで見過ごされがちだった「非認知能力」を育むことの大切さが、昨今、アメリカをはじめ、世界中の教育現場で叫ばれ始めているのです。

そして日本でも、2017年3月に改訂された文部科学省による「学習指導要領」に、「非認知能力」の大切さが組み込まれています。(*1)日本の教育現場も、IQや偏差値といった「認知能力」のみ重視するといった従来の傾向から、徐々に変わろうとしています。

<目次>  

「非認知能力」はどうして子供にとって大切?

昨今、こうして世界中が「非認知能力」に注目するきっかけとなったのが、ノーベル経済学賞を受賞した経済学者ジェームス・ヘックマン氏率いる研究です。(*2)ヘックマン氏率いる研究チームは、ミシガン州の『ペリー幼稚園』の卒業生を50年近く追跡調査したといいます。

すると、幼稚園に平日毎日通った子は、通わなかった子に比べ、幼稚園時代にIQが著しく伸びたものの、8歳になる頃には、その違いはほとんどみられなくなったといいます。ところが、その後の追跡調査では、ペリー幼稚園に通わせた子の方が、通わせなかった子に比べ、学歴や収入や持ち家率もより高くなり、良好な家族関係を築くなど生活の安定率も高く、全体的な生活の質がより充実していたといいます。研究チームは、その原因は、幼稚園時代の「非認知能力」を育む働きかけにあったと結論付けています。

つまり、IQや読み書き計算といった「認知能力」を伸ばす幼少期の働きかけは、小学校高学年になるころには、その効果がほとんどみられなくなるものの、「回復力」や「やり抜く力」といった「非認知能力」を育む働きかけは、その後もその子の人生の質に、大きく寄与するというわけです。「非認知能力」は、長い目でみた子どもの人生の質を左右する「鍵」ともいえるのですね。
 

「非認知能力」とは具体的にどんな力?

「非認知能力」とは自身の成長を促し他者と良好な関係を築く力

「非認知能力」とは自身の成長を促し他者と良好な関係を築く力


こうした「非認知能力」とは、「認知能力」には含まれない心の性質を広く指していますから、具体的には、様々な力や資質があげられます。例えば、ヘックマン氏は、「やり抜く力」と「自制心」に着目しました。また、昨年の『国立教育政策研究所』による報告書では、年齢別に、実に60近くの非認知能力が提示されています。(*3) 

これらを大まかにまとめるなら、「非認知能力」とは、自身の健やかな成長のため、そして、他者と良好な関係を築くために必要となる力や資質といえます。そしてそれぞれ、次のような、より具体的な「非認知能力」があげられます。

・自身の健やかな成長のために必要な力や資質
自己肯定感、やり抜く力、自制心、回復力、創造力etc.

・他者と良好な関係を築くために必要な力や資質
心の理論、共感力、協働力、葛藤解決力、表現力etc.

では、これらの非認知能力を育むために、親として何ができるでしょう。
 

非認知能力を育むための3つのヒント

1.愛着関係を築く:非認知能力の基盤
非認知能力を培う基盤となるのが、子どもが世話をしてくれる人との間に築く愛着関係です。愛着とは、特定の人物との間に築かれる情緒的な結びつき。乳児期から、泣けば抱っこしてあやし、お腹がすけば授乳しと、赤ちゃんのニーズに繰り返しこたえることで、築かれていきます。

とはいえ、幼児となり自我が芽生えてくれば、子どもが「したい」と思うことと、親が「してほしい」と思うことの間に葛藤も生じます。その1つ1つの葛藤に、例えば、「お店には楽しそうな玩具がたくさんあるから欲しくなっちゃうね」と子どもの気持ちに寄り添いながらも、「今日は買うと決めてこなかったから今度にしようね」と、親としてブレない方針を示していくこと。そうした繰り返しが、健やかな愛着関係を築きます。

また、「教えなければ」といった気持ちを少し横におき、ただ、子どもの話を聞いてあげたり、一緒に楽しむひとときを持つようにすること。そして、たとえ、その日にどんなことがあったとしても、寝る前には、「大好きよ」とギュッと抱きしめてあげること。こうした心がけも「愛着」を促進し、「自分は大切」といった「自己肯定感」を育みます。
 
「大好きよ」と抱きしめることは子どもの内に「自分は大切」という気持ちを育みます

「大好きよ」と抱きしめることは子どもの内に「自分は大切」という気持ちを育みます


2.目先の「結果」より「取り組む姿勢」を励ます
「こんな問題できるなんて賢い!」と結果にフォーカスするより「難しい問題だったのに最後まであきらめずえらかったね」、また、「算数のテスト90点だったのね!えらい!」より「ゲームの時間を減らして勉強したのえらかったね。90点おめでとう!」と、「やり抜く力」「自制心」を発揮した過程の姿勢を喜んであげましょう。

そして、「回復力」を育むには、まずは失敗すること、そして失敗から立ち上がる体験を重ねることが一番です。先回りして子どもの失敗を防ぎ「よりよい結果」を出そうとするよりも、失敗から立ち上がる過程を励ましてあげましょう。

また、例えば、歴史の本を夢中で読む子に、「いくつ年号を覚えた?」といった成果ばかりを気にするよりも、本の内容を一緒に楽しんだり、歴史博物館を訪ねたり、歴史的な建築物の模型を作ってみたりと、好奇心や「創造力」を存分に発揮するサポートをしてあげます。

親として、ついつい、結果や成果に目がいってしまうものです。それでも、過程の頑張りを励ますことこそ、長い目で見て、より全体的に高い成果へとつながることを思い出しましょう。

3.乳幼児期から、思いや感情をもった1人の人として扱う
「心の理論」「共感力」といった他者の思いや気持ちを推測する力は、乳幼児期から、その子が、思いや気持ちをもった1人の人として扱われることで培われます。会話の成り立たない赤ちゃんであっても、オムツを替える際など、無表情に用事を済ますといった様子ではなく、「おむつがきれいになって、気持ちいいね~」と表情豊かに話しかけてあげましょう。

また、年齢が上になるほど、「~しなさい」と、親の意向でのみ導くよりも、「どちらがいい?」「どう思う?」と尋ねるなど、その子の意向を尊重する工夫をしてあげましょう。そうすることで、「協働力」を支える「相手に思いや気持ちを表現する力」も磨かれます。そして、親の意向で詰まったスケジュールよりも、その子自身が興味を持つ活動に没頭できる環境を整えてあげたり、子どもと一緒にスケジュールを組むのも方法です。

子どもが、力を発揮し社会で活躍するための土台となる「非認知能力」。是非、親として、できることをしてあげたいですね。
 

非認知能力を伸ばす「ウィークエンドスクールfor kids」

オールアバウトライフワークス主催の「ウィークエンドスクールfor kids」のプログラムは、子どもの「非認知能力」に着目して開発しており、クッキングや遠足、表現あそび、おしごと体験など、未就学のお子さんが夢中になる充実したプログラムを取り揃えています。

講師は遊びを通して子どものチカラを引き出す専門家の保育士や幼稚園教諭。ママ・パパがお子さんの持つチカラに気づいて無理なくご家庭でも育んでいけるよう、実践的なヒントをお伝えします。

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