北フランスの小麦を原料にしたフレンチウオツカ
ピナクル ウオツカ
すっきりとした透明感、クセのあまりない清冽な味わいのスピリッツだ。カクテルにおいてはベースとして厚みのあるアルコール感をズンと効かせながら、他の材料の香りや味わいを引き立てる名脇役となる。
アメリカのように、なんでもミックスしちゃえ、といった感覚の国ではオールマイティなスピリッツなのだ。またアメリカではスタンダードなものだけでなく、フルーツやハーブなどを漬け込んだフレーバードウオツカの人気も高い。フレーバードウオツカも、もともとはロシアやバルト海沿岸地域の地酒的なものだった。
日本でも「サントリーウオツカ」や「サントリーアイスウオツカ」(グレープフルーツのフレーバードもある)がつくられているように、いろんな国々でウオツカは生産されている。
ウオツカはトウモロコシをはじめ、大麦、小麦、ライ麦、ジャガイモなどの穀類と麦芽を原料に糖化、発酵、蒸溜する。そして活性炭処理やその他の物質をで濾過したりする。
いま、わたしのお気に入りのウオツカはフランスのコニャック地方でつくられる「ピナクル ウオツカ」(750ml/40%/¥1,180・税別)である。
原料は北フランスの高品質な小麦100%。近年、アメリカではやたらとクリーンさを強調したペラペラの薄っぺらな香味のウオツカが人気だったが、このフランス産ウオツカはひと味もふた味も違う。しかもそのアメリカで人気急上昇中であることも面白い。
ジュースとの相性抜群の新感覚ウオツカ
ソルティ・ドッグ
「ピナクル」とは“山の頂”。ボトル中央上部には小さく白い山の頂がデザインされている。
ストレートやロックで味わうのはもちろんだが、「ピナクル」はカクテルベースとして最適である。飲み慣れたウオツカベースのカクテルが「ピナクル」を使うと新感覚の風味に変貌する。シェーク、ステアにも耐えるコシの強さもあり、なかなかに面白い。
「ウオツカマティーニ」もいい。でも、凝ったカクテルで味わってみることもない。グラスに直接つくるビルドタイプでいろいろ試していただきたい。
ブラッディ・メアリー
グレープフルーツジュースは最高。是非「ソルティ・ドッグ」を試していただきたい。またトマトジュースがお好きな方は「ブラッディ・メアリー」は絶対「ピナクル」でどうぞ。どちらも粘性とは違う、独特のしなやかな弾力性のニュアンスをご理解いただけるのではなかろうか。
あとはパイナップルジュース、オレンジジュースなんかで割ってもいい。リキュールならばディサローノ・アマレットのミックス「ゴッド・マザー」もおすすめだ。とりあえず、これらのカクテルを「ピナクル」でどうぞ。安価なタオルと、柔らかくてふかふかの高級タオルとの違い。そんな新感覚ウオツカである。
爽やかなライトブルーのボトルも、やっぱフランスだな、って感じさせる。(カクテル撮影/川田雅宏)
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