スキンケア/フランス式美容法

パリジェンヌのダイエット術……炭水化物OK!?

炭水化物OKなパリジェンヌのダイエットについて解説します。年末年始はフランス人にとって、一年で一番太りやすい時期です。年が明けて2月に差し掛かる頃、ダイエットを始める人が増え始めます。食文化を大切にするフランス人のダイエットとは?

立神 詩帆

執筆者:立神 詩帆

フランス流美容ガイド

<目次>

パリジェンヌのダイエット! 年末年始は一気に太る⁉

パリジェンヌのダイエット方法

フランスではクリスマスと大晦日にご馳走を食べます。

フランスではクリスマスからお正月にかけてが一番太る時期だと言われています。クリスマスは家族と、大晦日は友人同士と過ごすのがフランス人の習慣ですが、年末は毎日のようにパーティーが開かれ、シャンパンやワインを飲みご馳走を食べます。年末の食事でフランス人がほぼ必ず食べる物といえば、フォアグラ、サーモン、ローストチキン、チョコレート、バタークリームたっぷりのクリスマスケーキなど、高カロリーのものばかり。
ガレット・デ・ロワ

ガレット・デ・ロワ

年が明けてホッとしたのもつかの間、折りパイにアーモンドクリームが入ったガレット・デ・ロワと呼ばれるパイ菓子を食べる1月6日の公現祭の日を迎えます。

ガレット・デ・ロワを好きな人は多く、フランス人は1月中はあちこちのお菓子屋さんを食べ比べするのを楽しみにしています。一方、バターたっぷりで超高カロリー(100g=約350カロリー)のガレット・デ・ロワを食べ続けて太ってしまったという人も多く、何個食べたかという会話で盛り上がります。
 

パリジェンヌのダイエットは2月からスタート!

イメージ

パリのメトロのホームのダイエットフードの広告

最後のガレット・デ・ロワの一切れを食べ終わり2月に入ると、パリジェンヌはようやくダイエットへの重い腰をあげます。その頃になると、フランス人の気持ちをくすぐるかのようにパリのメトロで見かけるようになるのが、ダイエット食品やサプリメントの広告です。日本ではダイエットに関する広告は夏前が多いですが、面白いことにフランスでは春前が多くなります。
 

パリジェンヌの理想体型はやや重め

フランスの美容体重は⁉

フランスの美容体重は⁉

フランス女性の身長と体重の平均値は、身長165cm 体重63 Kg。フランス人は一般的にスレンダーな体型=貧弱、メリハリのある体型=セクシーと感じ、凹凸のある女性らしい体型を理想とします。

女性が理想とする健康的でスリムに見える体重のことを「美容体重」と呼び、日本ではIMC(BMI)指数19.5~20.5で算出します。
美容体重(日本)=身長(m)×身長(m)×20

一方、フランスの美容体重は、IMC(BMI)指数は使わずに算出されます。
美容体重(フランス)=身長(cm)-100-(身長(cm)-150)÷2

日本とフランスでの身長165cmの女性の美容体重を計算してみると、
美容体重(日本)
1.65×1.65×20=54.5Kg

美容体重(フランス)
165-100-(165-150)÷2=57,5Kg


となり、フランス人の美容体重は日本人より3Kgも重いことがわかります。
 

パリジェンヌのダイエットの3つのポイント

イマージ

パリジェンヌのダイエットは意外にシンプルです。

食材が豊富で美味しいお菓子屋やレストランが軒を連ねる、美食のパリの街。パリジェンヌにとって、食事を制限することは結構大変なようですが、彼女たちが実践しているのはごく基本的な方法でした。これは前述の美容体重から察することができるように、日本人に比べて美容体重が重いこと、痩せなくてはいけないというプレッシャーが少ないからだと推測できます。

1. アルコールを減らす
アペリティフから始まり、ワインを飲みながら食事を楽しむのがフランス人の日常的な食事風景です。食前酒やワインの量を減らすことは容易なことではないようですが、「週末だけ飲む」「薄切りのレモンを浮かべたペリエを飲んで我慢する」などで乗り切っているようです。

2. 低カロリーの食事
ダイエット中のパリジェンヌの代表的な食事がサラダ。フランスのサラダは、蒸した鶏肉や魚、チーズなどがトッピングされていてボリューム満点。一皿である程度栄養が摂れて、お腹が一杯になります。最近では豆腐やこんにゃくなどの日本食材もダイエット食として注目を集めています。

3. 運動する
フランスの中でも特にオシャレで美意識が高いパリジェンヌ。体型維持のために、普段からよく歩きます。サッサと長い脚で闊歩するパリジェンヌの姿は、美しいパリの街並みの風物詩の一つ。ジョギングをしたりスポーツジムに通っている人も多く、筆者が通っているジムでも年明けはアクアフィットネスやカーディオトレーニングなど、ダイエットに適したレッスンに人気が集中します。
 

アンチ炭水化物抜きダイエット!? 全粒粉パンが大人気

image

健康志向と美容意識の高いパリジェンヌに人気の全粒粉パン

個人主義で我が道を往くフランス人ですが、ダイエットにおいても同じことが言えるかもしれません。例えば、炭水化物抜きダイエットや糖質制限ダイエットはフランスでも知られていますが、実はフランスでは日本ほど話題になりませんでした。

日本では「太りやすい食品」として避けられがちなパンですが、フランス人にとってパンは食事に欠かせない主食です。そこで、健康志向いパリジェンヌがダイエット中に好んで食べているのがパン・コンプレ、つまり全粒粉パンです。全粒粉パンはパン屋やオーガニックショップで必ず売られているほど人気があります。
 

全粒粉パンのダイエットに向いている理由

・血糖値が上がりにくい
血糖値の上がりやすさを示す「GI値(グリセミック・インデックス)」がフランスパンやパスタなどあらゆる主食や炭水化物に比べて低く、血糖値の上昇に応じて分泌されるインスリンの量を抑えられます。インスリンは脂肪を溜め込む性質があるので、インスリンの分泌量が低ければ脂肪の蓄積も起こりにくく、太りにくくなり、運動をするとより効果的に脂肪を減らすことができます。また血糖値の急上昇を抑えることで、空腹感が抑えられ、食べ過ぎや間食を防ぐことができます。

・ビタミンが豊富
小麦の果皮や胚芽を含むので、ダイエットで不足しがちなビタミンB1やビタミンB6、鉄分やマグネシウム、ナイアシンなどのミネラルを豊富に含みます。

・食物繊維が豊富
食物繊維は便秘解消、食べ過ぎの防止、肌荒れ解消などの効果があります。また血糖値の抑制にも効果的です。

いかがでしたか?フランス人がよく言う言葉が「人生には楽しみが必要不可欠だ」。パリジェンヌは、ダイエット中でも時々はデザートOK、全粒粉パンを食べるなど、ストレスを溜めないように緩やかなルールを決めながら、健康的にダイエットをしています。是非、参考にしてみてください。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して肌荒れや不調を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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