九州北部豪雨や台風到来! 2017年の「自然災害」

起こりうる自然災害のリスク対策は万全に

起こりうる自然災害のリスク対策は万全に

2017年も、多くの自然災害がニュースになりました。自然災害を避けることはできませんが、事前にリスクに備えることはできます。

あらためて2017年に起きた災害の規模や内容、それに対する火災保険や地震保険についておさらいしていきましょう。
 

1月~3月 大雪による被害で住宅の一部損壊が257棟

大雪による住宅被害は東京でも2014年に発生

大雪による住宅被害は、2014年にも東京で発生。


2017年の1月から3月には、全国各地で大雪による被害が発生し、住宅の損害などが報告されました。内閣府防災「今冬期の大雪等による被害状況等について」(平成29年5月12日 15:00現在)大雪等で一部損壊の被害を受けた住宅は257棟にも上っています。

大雪による被害は、雪国だけのものとは限りません。2014年には東京でも、雪の重みによりカーポートが落下したり 、雨どいが損壊したり、大雪による住宅被害が多数生じました。

このように、雪による被害で住宅や家財が受けた損害は、火災保険でカバーすることができます。ただし、補償の有無や内容は、商品により異なります。契約している火災保険(あるいは火災共済)が、雪の被害をカバーできるようになっているか、カバーできるなら、どこまでカバーできるかについても確認しておきましょう。多くの商品では、雪災は単独ではなく、「風災・ひょう災・雪災」とワンセットになっています。

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7月~10月 九州北部豪雨・大型台風の到来

2017年は各地で風水害も相次いだ

2017年は各地で風水害も相次いだ


夏から秋にかけては、大雨や台風が全国各地で大きな被害を及ぼしました。特に2017年7月5日から6日にかけての記録的な大雨、「九州北部豪雨」では、九州北部そして大分の一部で、住宅の全半壊・床上浸水などの被害が発生しました。

住宅全壊世帯 福岡県227棟/大分県48棟
住宅半壊世帯 福岡県795棟/大分県266棟
床上浸水 福岡県21棟/大分県148棟 など

(内閣府 防災情報のページ「6月30日からの梅雨前線に伴う大雨および平成29年台風第3号による被害状況等について」人的・物的被害の状況 2017年8月21日現在)
 

被害状況を見ると、住宅全半壊世帯がとても多くなっています。浸水だけでなく、土石流や地すべり、がけ崩れなどによる被害が大きかったことがわかります。

振り返ってみると、2012年の7月にも全国的に大雨の被害が生じていました。被害は青森から鹿児島までにわたり、なかでも九州北部および大分県の一部は、特に大きな被害を受けました。この災害名も「九州北部豪雨」でした。記憶している方もいるのではないでしょうか。

住宅全壊世帯 福岡県119棟/大分県34棟
住宅半壊世帯 福岡県67棟/大分県171棟
床上浸水 福岡県1513棟/大分県990棟 など

(内閣府 防災情報のページ「平成24年(2012年)7月11日からの大雨による被害状況等について 」人的・物的被害の状況 2012年8月10日現在)


2017年の被害と比べ、2012年は床上浸水の被害がとても多かったことがわかります。浸水後、水はいずれ引いていきますが、それでも床上浸水が住宅に及ぼす被害はとても深刻です。建具が水を吸ってしまうことで開閉に不自由が生じたり 、家具や家電品が使用不能になったりすることもあるでしょう。

ところが深刻な床上浸水の被害に遭っても、公的支援が受けられないことがあるのです。公的支援のひとつ「被災者生活再建支援金」は、住宅被害の状況を市町村が認定し、最大300万円の支援金が給付されるものです。住宅被害の認定区分は「全壊」「大規模半壊」「半壊」「半壊に至らない」の4つですが、給付金を受けられるのは全壊および大規模半壊のみ。浸水による被害を受けていても、浸水のもっとも浅い部分が1メートルに達しない場合は「半壊」と認定され、給付金の対象にはならないのです。

住宅が被害を受けたあとの再建、あるいは修繕で済む場合であっても、たくさんのお金がかかります。しかしながら公的支援はあくまでも限定的なので、火災保険による水害への備えは欠かせません。

大雨や豪雨による洪水や土砂崩れ、地滑り・がけ崩れなどは、すべて「水災」として火災保険でカバーできます。ただし、補償の有無は商品により異なります。また、損害の全額をカバーできるものもあれば、一部しか補償しないものもありますので、契約時に確認が必要です。

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10月 九州南部霧島山(新燃岳)が6年ぶりに噴火

火山による噴火被害は地震保険でカバーできる

火山による噴火被害は地震保険でカバーできる


10月11日、鹿児島県と宮崎県にまたがる霧島山(新燃岳)で噴火が発生。その後も噴火の発生と停止を繰り返しました。この噴火では、幸いにも人的被害・住宅被害は生じませんでした。

新燃岳は2011年にも爆発的噴火を起こしています。この時は、負傷者が出たり、噴火に伴う空気の振動で窓ガラスが割れたりする空振(くうしん)や、噴石によるガラス破損等の被害が生じましたが、住宅被害は生じませんでした。

ですが、噴火が原因で住宅損壊など深刻な被害が発生することもあり、その損害は地震保険でカバーできます。地震・噴火、及びこれらによる津波で生じた被害は火災保険では補償対象外としており、地震保険のカバー範囲です。そのため、噴火や地震関連の補償を受けたいときは、火災保険に地震保険をセットします。地震保険は火災保険金額の50%を上限として契約するため、火災保険のように損害をまるまるカバーできないこともあります。しかし、深刻な被害を受けても公的支援が限られるなか、まとまった一時金を受け取れることには大きな意味があり、家計を守るためには優先度の高い保険です。

住宅にかける地震保険は、住宅の主要構造部(基礎や柱、梁、屋根、壁などの構造部分)の損害に着目して保険金が支払われます。そのため、前述した空振や噴石によるガラス破損だけの損害で、主要構造部に損害が生じていない場合には保険金は受け取れません。また、主要構造部の3%以上の損害が発生した時に保険金の支払い対象となるため、主要構造部の損害でも3%に満たない小さな損害では保険金は受け取れません。地震保険は、手持ち資金ではどうにもならない深刻な被害が生じたときにこそ、家計を支える手段であることを覚えておきましょう。

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内閣府の調査によると、持ち家世帯の保険や共済の2015年の加入率は、火災補償82%、水災補償66%、地震補償49%と低いまま。いろいろな災害が増加しているにもかかわらず、災害に対する補償を確保している世帯は、持ち家世帯の一部にとどまっているのが現状です(内閣府「保険・共済による災害への備えの促進に関する検討会」報告)。

2018年に大きな災害が起きないことを願いつつ、一方で機会をとらえ、火災保険・地震保険の内容を確認しておきましょう。

 

2017年の災害から学ぶ、火災保険・地震保険でカバーできるポイント

・大雪で住宅が損害を受けた時には「雪災」として火災保険でカバーできる
・豪雨や大雨が原因の洪水、土砂崩れ、土石流、地滑り、がけ崩れなどは「水災」として火災保険でカバーできる
・噴火による住宅や家財の損害は「地震保険」でカバーできる


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