水害で保険証券が流失しても保険金は請求できる

水害で保険証券が流失しても保険金は請求できる

災害等で被災して、保険証券が流失したり紛失した場合でも、保険契約の効力はなくなりません。保険証券がなくても保険金は問題なく受け取れますが、ここで困ってしまうのが「保険の契約内容が分からず、損害が補償されるのかどうかが分からない」「契約先が分からず何処に連絡してよいかわからない」といった事態に陥るかもしれないことです。

保険金は原則として、本人が請求してこそ支払われるものですから、請求のためにはまず、保険契約の追跡調査から開始しなくてはなりません。取扱い代理店と懇意であれば、代理店への問い合わせだけで追跡調査は完了するでしょう。

しかし、取扱い代理店を覚えていないとか、そもそも契約先の損保会社すらわからない場合には、損保会社に総当たりで問い合わせをするしかありません。非常事態下で、これは結構な手間です。

実際に、津波被害の大きかった東日本大震災では、家もろとも流失する被害が多く見られ、保険証券が失われたケースも相次ぎました。

そこで日本損害保険協会は、東日本大震災の被災者に対し「地震保険契約会社照会センター」を開設、特別な体制を整えました。地震保険の契約先が分からない、あるいは契約しているかが分からない契約者が、地震保険契約会社照会センターか、あるいはいずれかの損害保険会社に問い合わせると、契約している損害保険会社を調べてくれるしくみ。調べた結果、契約があれば契約損保会社から連絡がもらえる、といったものです。

こうした仕組みを下敷きにしたと思われるのが、2014年7月1日に始まった「自然災害損保契約照会制度」です。
 

災害救助法適用地域は「自然災害損保契約照会制度」が使える

「自然災害損保契約照会制度」は、自然災害で被災して、災害救助法(※)が適用となった地域で、保険契約の内容や契約先が分からない契約者の問い合わせに応じるものです。つまり一定以上の被害が及んだ地域に住んでいたら、災害救助法によるさまざまな措置を受けられることに加え、損害保険契約についても追跡調査の手助けをしてもらえるわけです。

(※)災害救助法とは、災害により市町村の人口に応じた一定数以上の住家の滅失がある場合等に適用される法律。「国が地方公共団体、日本赤十字社その他の団体及び国民の協力の下に、応急的に必要な救助を行い、災害にかかった者の保護と社会の秩序の保全を図ること」が目的。法律が適用されると避難所や応急仮設住宅の開設、食料や飲料水、衣服や寝具等の給与など最低限必要な「衣・食・住」の確保や、住宅の応急修理の給付、住居に被害を受けて失った子ども(小学生・中学生・高校生)の学用品類が支給などの措置が受けられる。


問い合わせができるのは、原則として被災した本人およびその親族(配偶者・親・子・兄弟姉妹)で、個人契約が対象です。問い合わせは以下の自然災害損保契約照会センターに電話をして行います。自然災害損保契約照会センターはその情報を損害保険会社各社に連絡、調査が開始されます。
保険証券のコピーを非常用持ち出し袋に

保険証券のコピーを非常用持ち出し袋に



調査には2週間ほどかかりますが、契約が見つかれば契約先の損保会社から契約者に連絡がいきます。該当する契約がなければ、自然災害損保契約照会センターから連絡がいきます。

<問い合わせ先>
【一般社団法人 日本損害保険協会「自然災害損保契約照会センター」】
受付時間 平日9:15~17:00(土・日・祝および12月30日から1月4日を除く)
ナビダイヤル 0570‐001830     IP電話等の場合 03‐6836‐1003
 

非常用持ち出し袋に保険証券のコピーを入れておく

いうまでもありませんが、自然災害損保契約照会センターに問い合わせができるのは、災害救助法が適用になった地域にお住まいの方だけです。つまり、自宅が自然災害の被害に遭っても、調査の対象にならないこともあるのです。その場合、自分で追跡調査をするしかありません。

しかし大変な時にこそ、安心したいのが火災保険。そこで、火災保険証券のコピーを非常用持ち出し袋に入れておき、契約更新ごとに新しいコピーを入れ替えておけば、保険証券を失っても内容を確認することができます。

また、古い保険証券をそのまま持っている人が少なくありませんが、効力の切れた保険証券を持っていても特に役には立ちません。新しい保険証券が来たら古いものは捨ててしまいましょう。いざというときにこそ混乱しないよう、書類は普段から整理しておくことも大切です。

加えて、別居の親族とも情報共有をしておくといざというとき役立ちます。保険証券のコピーを送っておくなどして非常事態に備えておきましょう。

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