これからの暮らしに「ハザードマップ」は不可欠

洪水や津波、土砂崩れなどが各地で相次ぎ、ハザードマップの重要性は増すばかり

洪水や津波、土砂崩れなどが各地で相次ぎ、ハザードマップの重要性は増すばかり

国土地理院(国土交通省の特別設置機関)によれば、ハザードマップとは「自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所・避難経路などの防災関係施設の位置などを表示した地図」とされています。

各地域の土地がどのように成り立っているかや、災害が起こりやすい地形や地盤の特徴、過去の災害履歴、避難場所・避難経路などの防災地理情報をもとに作成されます。そのためのデータを提供しているのは国土地理院。土地条件図、火山土地条件図、都市圏活断層図、沿岸海域土地条件図などがそれらのデータで、一般にも提供されています。

これらをもとにハザードマップを作っているのは市町村です。「水防法・津波防災地域づくりに関する法律」に基づき、国や地方公共団体が洪水・内水・高潮や津波などの浸水想定区域などを指定し、それを受けて市町村が市町村地域防災計画に必要事項を規定。洪水や津波、火山、地震、液状化など、地域特性に合わせていろいろなハザードマップを作成し、周知を行っています。

水害ハザードマップの例(国土交通省 関東地方整備局ホームページより)

水害ハザードマップの例(国土交通省 関東地方整備局ホームページより)


なかでも洪水ハザードマップは整備が進んでおり、全国の市町村の現在の整備率は約98%ですが、津波約83%、内水(河川以外の水はけが悪化し、建物や土地・道路が水につかる)約66%、高潮約19%と、整備が進んでいない市町村もあります(「国土交通白書2015年」平成26年度末現在の整備状況)。

私たちは、住む地域に起こりうる災害や被害の可能性を知り、被災時に深刻な事態に陥らないよう、日頃から適切な準備をしておく必要があります。その準備に欠かせないのがハザードマップなのです。水害や津波、土砂崩れなどの災害が各地で相次ぐ近年は、その重要性も増してきています。

まだまだ「見たことがない」という人も多いですが、現在Webでハザードマップを公表している市町村は8割近く。住んでいる市町村のハザードマップが公表されていれば、気付いたときにすぐ確認できます。さっそく、ハザードマップを確認する方法を見ていきましょう。


国土交通省「ハザードマップポータルサイト」を活用する方法は?

市町村が公表しているハザードマップをまとめて公開しているのが、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」。「わがまちハザードマップ」「重ねるハザードマップ」の2つで構成されています。それぞれの特徴と活用する方法を紹介します。

●わがまちハザードマップ

日本地図から住所地を選択する、あるいは災害種類から選択すると、全国の市町村が公開している様々なハザードマップを確認することができます。
出典:http://disapotal.gsi.go.jp/hazardmap/pamphlet/kouhou.pdf(P.13より)

出典:http://disapotal.gsi.go.jp/hazardmap/pamphlet/kouhou.pdf(P.13より)


閲覧できるハザードマップは、洪水・内水・土砂災害・高潮・三大湾の高潮浸水想定・津波・火山、さらに地震については揺れやすさや液状化など8項目に分かれます。なかにはハザードマップをWeb公開していない自治体もあります。震度被害(揺れやすさ)マップに関しては、Webでの公表率は7割程度。必要に応じて、居住地の市町村のホームページを確認したり、防災担当に問い合わせてみるといいでしょう。なお、内閣府防災のホームページ「各自治体防災情報」には、各都道府県の揺れやすさマップが公開されていますので、こちらで確認することも可能です。

また、都道府県が各種の防災情報を公開していることもあります。たとえば、東京都では「地震に関する地域危険度測定調査」や「東京の液状化予測図」などを公開しており、参考になるでしょう。

「わがまちハザードマップ操作マニュアル」はこちらのリンクをご覧ください。


●重ねるハザードマップ
わがまちハザードマップでは、1つの地図上に1つの災害の被害想定のみが示されますが、こちらは災害による被害想定「各種ハザード情報」・避難時等に役立つ「災害時に役立つ情報」・地形や活断層、過去の空中写真や明治時代の低湿地などの「防災に役立つ地理情報」の複数を組み合わせて確認することができます。

「各種ハザード情報」
洪水浸水想定区域:河川氾濫により浸水のおそれがある区域と水深
津波浸水想定区域:津波により浸水が想定される区域と水深
土砂災害危険箇所・土砂災害警戒区域等:土砂災害の危険がある場所

「災害時に役立つ情報」
道路冠水想定箇所:大雨の際に冠水し、車両が水没するなどの重大な事故が起きる可能性がある箇所
事前通行規制区間:災害が発生する前に「通行止」などの規制を実施する区間
緊急輸送道路:緊急車両の通行を確保すべき重要な道路

「防災に役立つ地理情報」
写真:1945年以降の空中写真など
土地条件図:山地・台地・低地・人口地形等の地形分類を表示した地図
治水地形分類図:詳細な地形分類および河川工作物等を表示した地図
明治期の低湿地:明治期に作成された地図から、当時の低湿地分布を抽出した地図
大規模盛土造成地:谷や斜面に盛土した大規模な造成地を表示した地図 など

東日本大震災の時に液状化被害が集中したのは、以前川や沼などだった場所を埋め立てたところでした。そこで、自分の住所地がもともとどんなところで、どのような危険があるかを知るためには、たとえば「浸水想定地域」と「治水地形分類図」を重ね合わせます。すると、水害や液状化の危険性が高いかどうかをより具体的に確認することができます。

出典:http://disapotal.gsi.go.jp/hazardmap/pamphlet/kouhou.pdf(P.7)より

出典:http://disapotal.gsi.go.jp/hazardmap/pamphlet/kouhou.pdf(P.7)より


地図を重ねることで、災害時の避難経路を確保するために必要な情報をみられるので 、より具体的に被災時をイメージできるかもしれません。

「重ねるハザードマップ操作マニュアル」はこちらをご覧ください。


マイホームを買う前にぜひ確認を!

住宅取得時はハザードマップを確認し、住まいのリスク傾向をつかんでおきましょう。すでにマイホームを取得した方はもちろん、これから住宅を取得する際にも、安全な宅地選びのために、ぜひハザードマップを事前に活用してほしいと思います。

また、ハザードマップの情報を踏まえれば、わが家にどのような補償が必要なのかが確認できます。火災保険の補償選びでも適切な判断が可能になるのも、ハザードマップを確認するメリットです。


【関連リンク】
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国土交通省ハザードマップポータルサイト 
内閣府防災「各自治体防災情報」(※都道府県別ゆれやすさマップが見られます)
水害ハザードマップ検討委員会