家事がラクになる間取りって?
どんなに忙しくても、どんなに体の調子が悪くても、毎日しなければいけないこと---それが「家事」。なんでも、日本女性の家事時間は他国の女性に比べてダントツに長いとか。今は優秀な家電が出ているので昔よりも家事時間は減ってきてはいるようですが、それでも仕事・家事・育児と忙しい日々の中、家事の負担を少しでも減らしたいところです。そこで今回は、家事の時間を短縮できるマンションの間取りを検証してみましょう。
「ながら家事」で時間短縮
炊事・洗濯は、なるべく複数の動作を同時進行で、つまり「ながら家事」をすることで、かかる時間を短くし、効率を上げることができます。「ながら家事」とは、例えば以下のような動きです。
■食事の用意をしながら洗濯機を回す
■食器の後片付けをしながら子どもの入浴のお世話をする
■煮物をしながら洗濯ものを取り込む など
「ながら家事」をするためのポイントは以下となります。
■キッチン、洗面所、浴室といった水周りの動線が短く、移動がすぐできること
■扉を開けておけば、各場所に目が行き届くこと
それではそのようなポイントを備えたマンションの間取り例をご紹介します。
水まわりがコンパクトなマンションの間取り例
こちらは間口7メートル、3LDK、専有面積76m2のファミリータイプ、外廊下型マンションの角部屋でよくみられる間取です。
この間取りでは、キッチン、洗面室、浴室などの水まわりがまとまっていて、キッチンはバルコニーに面しています。水まわり部分を拡大して見てみましょう。
水まわりが2ウェイ、3ウェイなら家事がラクラク
この間取りでは、水まわりだけで以下の3つの動線(青い矢印)が確保されています。
■キッチン ⇔ リビング・ダイニング
■キッチン ⇔ 洗面室
■キッチン ⇔ バルコニー(ベランダ)
このようにキッチンから3方向への動線が確保されていることを3ウェイ(3way)動線と言います。さらに、洗面室からは廊下にも出られるため、洗面室を介してキッチン⇔廊下の動線もあります。
キッチン、洗面所、バルコニー、それぞれの動線が最短でつながれていますし、扉を開けておけば、それぞれの場所に目が届きます。従って、ながら家事をしやすい間取りになっているといえます。かつ、ここで注目したいのはキッチンがバルコニーに面していることです。
キッチンとバルコニーが隣接する間取りの利点
キッチンがバルコニーに面していて、バルコニーにSK(スロップシンク)がついている間取りなら、ながら家事がしやすいのはもちろん、プラスαのメリットがあります。スロップシンクとは、泥がついたものも洗える流しのことで、マンションではベランダガーデニングの際の水やりなどに使うことを想定してバルコニーに設置されるケースがあります。スロップシンクがバルコニーについていれば、子どもの上履きや靴などをここで洗ってすぐ干すこともできるし、泥付き野菜を買ってきて、ここで洗ってキッチンで調理することもできます。スロップシンクがついているバルコニーにキッチンから直接出られる間取りであれば、そのようなちょこちょことした家事もしやすくなります。今回ご紹介したような間取りは、究極の家事ラク動線の間取りといっていいでしょう。
洗濯機置場と浴室が隣り合っていればエコ!?
今は地球温暖化防止のために、さまざまなエコ活動が推進されており、効果が出るには、各家庭での取り組みも必要といわれています。家庭で手軽にできるエコ活動として「お風呂の残り湯を洗濯に使うこと」があります。すでに多くのご家庭で取り組んでいらっしゃると思いますが、浴室と洗濯機置き場(洗濯パン)が近くないとできません。
ぜひそのような点(=ちょっぴりエコ)も考慮して、家事がよりラクになる水まわり動線の短いプランを探してみてくださいね。
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