ウイスキーベースのカクテルを楽しもう
昨年秋、シングルグレーンウイスキー「知多」が発売された後に、カクテルとしての楽しみ方『サントリーウイスキー知多はカクテルベースにも最高』の記事を掲載した。ストレートやオン・ザ・ロックでそのウイスキーの香味特性をじっくり堪能するのもいいが、ハイボールや水割りといった軽快、爽快な飲み方、また本格カクテルのベースにしたりと、いろいろと楽しんでいただきたいと願う。何かで割ることで、そのウイスキーが抱きながらも隠れていた香味の一面が浮かび上がってきたりもする。新たな貌に出会えたときはこころ躍る。どうか頑にならず、さまざまに試していただきたい。
今回はわたしが最近試したなかから、個性の異なる3つのウイスキーをベースにしたカクテルをご紹介しよう。興味を持たれた方は是非お試しいただきたい。
まずはスコッチのアイラモルトで、スモーキーモルトの代表格ともいえる「ラフロイグ10年」をベースにしたカクテル「ゴッドファーザー」。
●God-Father(ラフロイグ10年)
ゴッドファーザー
とはいえ、ラフロイグの香味はしっかりと伝わってきて、スモーキーさが心地よく漂う。「ゴッドファーザー」のカクテル名らしい男っぽさを抱いている。ところが、ふた口すすると、スモーキーさと和風のミステリアスな感覚から、男らしいふりをして女っぽい、といった繊細な味わいが深まる。飲み飽きない面白味がある、といえるだろう。
ラフロイグ10年 45ml
ディサローノ・アマレット 15ml
氷を入れたロックグラスに材料を入れ、軽くステア。
●Manhattan(ワイルドターキー フォーギブン)
マンハッタン
どうして紹介するのかというと、クリーミーな甘さとスパイシーさがなかなかよくて、再登場しないかなと願っているからだ。
この「ワイルドターキー フォーギブン」は、完成したバーボンウイスキーに、職人が誤ってライウイスキーを混ぜてしまうというアクシデントから生まれたもの。マスターディスティラーがそれを知ったときには大いに怒ったらしいが、テイスティングしてみると予想外の美味しさだったために“許した"というエピソードから“Forgiven"と命名されたのである。
「マンハッタン」ベースとしては、バーボンの甘さ、ライのスパイシーさがスイートベルモットとよく馴染み合い、スイートベルモットがこのウイスキーの甘美さをより引き立たせている。独特の滑らかさがある。
たとえば「ワイルドターキー8年」と「ワイルドターキーライ」を合わせて使ったとしてもこの味わいにはならない。許したついでに、数量限定でいいから毎年登場させてくれないだろうか。
ワイルドターキー フォーギブン 3/4
スイートベルモット 1/4
アンゴスチュラビターズ 1dash
ステアしてカクテルグラスに注ぎ、マラスキーノチェリーを飾る。
●ウイスキー&ジンジャーエール(トリス<クラシック>)
スコッチバック
ジンバックとかブランデーバックとか、スピリッツにレモンジュースとジンジャーエールを加えてつくるバック(buck)スタイルで味わってもよい。またレモンジュースを使わなくても、レモンスライスを入れるだけでも爽やかな感覚をもたらす。自宅でお好みのスタイルで気軽に味わっていただきたい。
下記レシピは「スコッチバック」、あるいは「マミー・テイラー」と呼ばれるもの。
トリス<クラシック> 45ml
レモンジュース 20ml
ジンジャーエール 適量
氷を入れたタンブラーにトリス、レモンジュースを注ぎ、冷やしたジンジャーエールを満たす。(カクテル撮影/川田雅宏)
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