マーケティング/マーケティング事例

世界初!ウェアラブル眼鏡「JINS MEME」は売れるか?(2ページ目)

11月5日に世界初を謳ったウェアラブルメガネ「JINS MEME」が発売となりました。今回は『安部徹也のヒット診断“マーケティング・チェック!”』の第2回目として、「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」を取り上げ、爆発的ヒットに導くマーケティング戦略を検証していきます。

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

「JINS MEME」の普及を妨げる大きな溝とは?

JINS MEME

ハイテク製品の普及には“大きな溝”が待ち構える

「JINS MEME」は、“世界初、内なる自分を知ることができるウェアラブルメガネ”と謳っているように、これまでに世の中になかった製品です。

このようなイノベーションによって生み出されたハイテク製品には、その普及過程に大きな特徴があります。

まず、新しいものに目がない「イノベーター」や「アーリーアドプター」と呼ばれる消費者層が購入を始め、世の中での評価が定まった段階で「アーリーマジョリティ」と呼ばれる大衆消費者層が続きます。それから「レイトマジョリティ」という後期大衆消費者層が購入を開始し、最終的に「ラガード」と呼ばれる保守的な消費者が購入して製品の普及が最終段階を迎えるという流れになっているのです。

これは「イノベーター理論」と呼ばれるマーケティングのフレームワークの一つですが、すべてのハイテク製品が普及プロセスの最終段階まで漕ぎ付くことができるわけではありません。むしろ、最終段階まで辿り着ける製品の方が少ないといっても過言ではないでしょう。

それは、「アーリーアドプター」と「アーリーマジョリティ」の間に“キャズム”と呼ばれる大きな溝が存在しているからです。

新しいものならどんなものでも飛びつく「イノベーター」や「アーリーアドプター」は製品に“夢やロマン”を求めます。ですから、価格もあまり気にすることはありませんし、製品に求められる重要な要素は“ワクワク感”といえます。

一方、「アーリーマジョリティ」以降の消費者層は、製品の“ワクワク感”をあまり重視することはありません。製品に求めるのは、実用性であり、いかにコストパフォーマンスが高いかが、購入を決定する重要なファクターとなるのです。

このように「アーリーアドプター」と「アーリーマジョリティ」の境では、消費者の特徴が180度変化するために、企業とすると新製品の初期段階で予想以上に売れたとしても、同じマーケティングを続けているようでは、「アーリーアドプター」と「アーリーマジョリティ」の間に存在する大きな溝を超えることができずに短命に終わってしまう製品が後を絶たないのです。

「JINS MEME」はどうすれば、大きな溝を乗り越えることができるのか?最後のページではその鍵を握る戦略をお伝えします!
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