様々な困難に遭いながらも新しいものを求め、今に繋いだ軌跡……。
そこにいつも あったたくさんの輝石……。
宝塚歌劇団100年へのキセキのひとコマをご紹介いたします。
――Part12「『虞美人』~小林一三翁逝く」――
■宝塚歌劇団100年へのキセキ
Part1「小林一三が目を付けた宝塚村」
Part2「タカラジェンヌの意外な誕生秘話」
Part3「宝塚歌劇 第一回公演はお伽噺」
Part4「宝塚音楽学校の移り変わり」
Part5「宝塚大劇場の変遷」
Part6「東京宝塚劇場の変遷」
Part7「『モン・パリ』~レビューの誕生」
Part8「『パリゼット』~レビュー黄金時代」
Part9「海外公演~世界へ羽ばたくタカラヅカ」
Part10「宝塚歌劇団 戦争からの復活」
Part11「宝塚歌劇団の大運動会」
Part12「『虞美人』~小林一三翁逝く」
Part13「『華麗なる千拍子』~芸術祭賞」
宝塚大劇場、復活
(C)阪急ブックス
宝塚ファンの愛読書「歌劇」(大正7年創刊)も復刊。翌年には「宝塚グラフ」(昭和11年創刊)も復刊されました。
しかし東京宝塚劇場はアー二―パイル劇場と名を変え、GHQに接収されたまま。よって翌1947年(昭和22年)、日本劇場で公演を再開し、その後しばらくは、日本劇場や江東劇場などで公演することとなりました。
『ミモザの花』『ファイン・ロマンス』『マノン・レスコオ』『ロミオとジュリエット』『四つのファンタジア』、また、シャンシャンが初めて登場した『アラビアン・ナイト』などが上演され、物質的にも精神的にも貧しく苦しかった戦後を活気づけました。
当時の人気スターは、越路吹雪、乙羽信子、久慈あさみ、南 悠子、淡島千景、明石照子、新珠三千代ら。新人に、戦後に入団した八千草薫、淀かほる、寿美花代らがいました。
白バラのプリンスこと春日野八千代は、別格扱いの大スターでした。
やがて、越路吹雪、乙羽信子、久慈あさみ、淡島千景らが退団し、映画の世界へと移って行きました。