タカラジェンヌたちの芸名事情

赤ちゃんの名付けには皆さん苦労しますが、「困った時は参考にして!」と思うほど、タカラジェンヌたちの芸名は様々。

タカラジェンヌたちのプロフィールが掲載されている「宝塚おとめ」には芸名の由来が書かれている欄がありますが、それ以前、つまり芸名を付ける段階のお話をいたしましょう。


芸名はいつ考えるの?

宝塚歌劇団に入団する半年ほど前……つまり、宝塚音楽学校・本科の夏休み頃に考え、考えた芸名を学校に提出します。


基準はあるの?

自分が“コレにしたい!”と思っても、それを必ずしも付けられるわけではありません。一応、基準があります。

本名はNG
名前ならOKですが、苗字の部分は本名を付けてはいけません。

読みやすい、書きやすい
“あまりにも漢字が難しい”や“どうしても、そうは読めない”などは、受理されにくいですね。

以前あった芸名と似すぎていてはNG
先輩方の芸名と、あまりにも似すぎていないこと。特に、印象が強く残っている芸名ほど受理されにくいです。


いくつ候補を考えるの?

第二希望(または第三希望)まで考えます。第一希望で却下された場合は第二希望にしたり、新たに考え直したりします。

考え方の例
・好きな字や言葉を入れて
・尊敬する人の芸名をもじって
・本名の一文字を入れて

ずーっと以前は、「百人一首より」というのが主流だったりしましたが、現在は上記のような考え方が一般的。

付ける人の例
・自分で考えました
・家族で考えました(父や母に……)
・恩師または尊敬する方に付けてもらいました

二世ジェンヌだと、お母様の芸名をもじって……というのも多いですね。私で例えると、自分の好きな字を組み合わせて考え、恩師に見せて「これでどう?」みたいな決め方(思いっきり強引!)でした。

さきほど“基準”をご紹介しましたが、この査定は年によってとても厳しかったり、案外緩かったりします。私の期は、どちらかと言うと厳しかった学年。あっちでもこっちでも「返された~」「考え直さなくちゃ……」という声が。

桜木星子……本名でも全然イケそうなこの芸名、これも初めは却下! 理由は“星子”が“せいこ”と読めない。“ほしこ”としか読めない――でした。

第二希望も考えてはいましたが、どーしても第一希望を通したかった私は「小学校の同級生に“星子”と書いて“せいこ”と読む人がいました!」という、あまり説得力のない話(でも事実です!)を持ち出し、職員室に何度も出向き、校長先生に涙ながら(?)に訴え、やっとOKをいただいたという思い出があります。

同期にも、第一希望が却下された人……たくさんいましたね。理由はやはり、読みづらい、漢字が難しい。中には「芸名として品がない」なんていうカワイソ~な理由で却下!された人もいましたっけ。でも、同期で集まってこの話題が出るたびに「あの芸名にしなくて、あんたホント、よかったね~」と毎回も言ってしまうようなものもありました…… 。

さて、どうにかこうにか、芸名が無事に決まったなら、まず何をするか……? それは――

サインを考える!

まだ音楽学校の生徒ですが、気持ちは劇団の生徒です。もう、ファンの人にサインを求められるつもりでいます。かわいいというか……ちゃっかりしています。

自宅や寮ではもちろんですが、不謹慎にもこんな時に考えたりしていました。それは授業中! 授業中と言っても、まさか踊りながら、歌いながら……ではムリなので、机に向かい、筆箱を出して……という授業に限り。音楽理論を学ぶ“楽典”や歌劇団の歴史を学ぶ“文化史”など。

サインを必死で考えノートに書き、それを「こんなの、どう?」と、先生に見つからないようにこっそり同期に回したり、センスのある子に考えてもらったり。これにしよう!と決まったなら、ひたすらサインの練習。ちなみに“文化史”の受け持ちは校長先生(ゴメンナサイ……)。“楽典”&“文化史”と言えば、日頃は居眠りタイム(ご、ごめんなさい!)。

いろんな思いを込めて考えた芸名。思い出と共に育った芸名。いつまでも愛着は消えません。


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