手紙の書き方・文例/敬語の使い方

「折り返し電話します」の敬語は間違い?意味と正しい言い方・使い方

折り返し電話が必要になった場面で、どのような言い方・表現をするべきかご存知ですか?担当者不在などの電話応対時によく使われる「折り返し電話します」や、相手が不在時の「折り返しお電話いただけけますか」。これらの言葉は正しいのでしょうか? 正しい、間違い等いろいろ言われるこの言葉の意味と正しい使用例をきちんと見直してみましょう。

井上 明美

執筆者:井上 明美

手紙の書き方ガイド

 

「折り返し電話します」という言い回しはマナー違反? 

「折り返し電話します」よく使う表現でも、本当に正しいのか案外迷うことも多いようです

「折り返し電話します」よく使う表現でも、本当に正しいのか案外迷うことも多いようです


「折り返し電話します」というような、この「折り返し」という言葉が時折問題になります。具体的には、「折り返し電話いたします(A)」「折り返し電話いただけますか(B)」の2つを比べた場合、Aの使い方は誤りではないか?というものです。日常でもビジネスでもよく使うこの「折り返し」という言葉について、再度詳しく見てみましょう。
 

「折り返し」の意味と正しい言い方は?

「折り返し」という言葉の意味は「手紙や問いかけなどに対し、あまり間をおかずに、すぐ返事、対応をすること。すぐさま」とされています。ですから、前述した「折り返しお電話いたします(A)」と「折り返しお電話いただけますか(B)」は、どちらも言葉の本来の意味としては、使うことができると言えますし、誤りと思われがちな「折り返しお電話いたします(A)」も正しい使い方です。

具体的な使用場面としては、【A】は相手からの電話や質問に対し、何か調べてからでないとこたえられないときや、急な会議で対応できないなどの折に、こちらから(自分から)使うもの。「申し訳ございません。急な会議が入ってしまったもので2時には済みますので、終わりましたら折り返しお電話いたします」と、このような使い方というわけです。

一方の【B】も、相手が戻ったら電話がほしいと頼むような場面での使用例が考えられます。「折り返しお電話をいただければありがたいのですが、そのようにお伝えいただけますでしょうか」のような例です。

このように、「折り返し」というのは、手紙や問いかけなどに対し、あまり間をおかずに、すぐ返事・対応をすることという意味ですから、「折り返し電話します」は間違いなどではなく、正しい表現であることがわかります。
 

「また折り返し電話します」は間違った言葉。状況次第で言い換えも

一方で、電話をかけた際に、相手が席をはずしているか不在で「戻りましたらこちらからお電話いたしましょうか」と言われ、再度自分がかけるような場面で「折り返し」を用いるのは不自然です。「また折返し電話しますので」というような例は不自然さが残りますよね。

相手に返事、対応するというよりは、単にかけ直すのですから、この場合は「また改めてお電話いたします」「(お戻りのころにでも)こちらからお電話いたしますので」などの表現が適切でしょう。

また、前述の【B】についても、もし急用で電話がほしいと頼むような場合は「折り返しお電話いただきたい」だけでなく、もっと言葉を添えた言い方をするほうがより好ましい、適切であると感じます。

具体的には「恐れ入りますが、急ぎお伝えしなければいけないことがございますので/急ぎの用件がございまして、お戻りになりましたらお電話くださいますよう、お伝えいただけますか」などと言い換えるとよいでしょう。

「すぐに返事する、対応する」という意味でよく使われる「折り返し」という表現ですが、場面に合わせて言い換える、言葉を添えるなどの工夫や気くばりがあってこそ、自然に響く言葉と言えるでしょう。

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