広い意をもって使われる「結構です」という表現

肯定?否定?意外とむずかしい「結構です」の使い方

「結構です」という表現は案外広い意味をもつもの、誤解を受けることのないよう、うまく使い分けましょう

「結構です」この言葉だけを見ると、それで良いのか、それとも必要としないのかはっきりしないことがあります。

「もう結構です」のように前後の言葉や言い方で判断できることも多いものですが、ビジネスなどの場面ではより適切な表現が求められることもあります。

何となく使っているこの言葉の意味や使い方を再度見直してみましょう。


そもそも「結構」の意味とは?

1 すぐれていて欠点がないさま。「結構な眺め」「結構なお点前(てまえ)」「結構な御身分」
2 それでよいさま。満足なさま。「お値段はいくらでも結構です」「サインで結構です」
3 それ以上必要としないさま。「もう結構です」
4 気だてがよいさま。
「一つ汲んで下されと、下々にも―に詞(ことば)遣ひて」〈浮・禁短気・二〉

コトバンク『デジタル大辞泉』より引用

上記の場合、1、2は“優れている”、“欠点がない”、“よい”、“満足”という意で、肯定と受け取れます。それに対して3は、“それ以上必要としない”という意では満足な意を含んでいるものの、「もう結構です、いりません」のように否定の場合に用いられます。

それ以外にも、「結構楽しかった」「結構おもしろい」「結構うまくできた」など、“不完全だが”、“それなりに十分”、“どうにかなる”というような場合にも「結構」は使われます。

このように、広い意をもって使われる「結構」ですが、同じ断る場面でも、セールスなどきっぱりと断ったほうがよい場合と、宴会などで相手から勧められた飲み物を断るときなどは、もっとやわらかな表現のほうがしっくりくる場合もあります。


「結構です」を言い換えるときは3つのポイントを押さえて

セールスの電話などに断りの返事をする場合、遠回しに「結構です」と断ったつもりが、「大変結構です」という承諾の返事に受け取られる恐れもある、といった話はよく言われることです。相手の誘いや厚意に対して断る場合などは、相手の気分を壊すことのないやわらかい言い回しが好ましいでしょう。

その際に押さえるべきは以下の3つになります。

  • まずは受けられないことに対してのおわびの気持ちを述べる。
  • 「せっかくのお話ですが」、「ありがたいお話ですが」、「ぜひお伺いしたいところなのですが」など、相手の厚意に対してのお礼を伝える。
  • 「すでに予定が入ってしまっておりまして」、「当日は○○の用がございまして」など、ときには理由や事情を述べる。
広く使われる「結構です」も、このように曖昧な言葉になり誤解を受けたり、または、いらない、必要ないのように少々きつい表現に感じることもあります。相手や場面に合わせて、言い換えたり言葉を補うなど工夫することが心くばりにつながるのでしょう。

最後に、「結構です」の具体的な言い換え例をご紹介しましょう。


「結構です」の場面ごとの言い換えの例

■セールスなどをきっぱりと断る場合
「あの……結構です……」
「今あまり必要ないんですが……」

<言い換え例>
「申し訳ございませんが、一切お断りしておりますので」
「まったく考えておりませんので(失礼いたします)」
「間に合っておりますので」……など


■相手の誘いや厚意を断る場合
「すみませんが結構です」

<言い換え例>
「まことに残念なのですが、今回はお伺いできそうにございませんで」
「せっかくのお話ですが、当日はあいにくすでに予定が入ってしまっておりまして(申し訳ございません)」……など


■相手から飲食物を勧められて断る場合
「いいえ、結構です」

<言い換え例>
「ありがとうございます、もうたくさん頂戴いたしましたので」
「たくさん頂きましたので(すみません)」
「いえいえ、おいしくてつい食べ過ぎてしまいました」……など
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