靴の性格を反映する「目付け」

平目付け

ウェルト表面に凸凹を全く付けないため、出し縫いの糸が目立つ「平目付け」。それ故縫いのピッチが均等でないとカッコ良く見えず、ひょっとすると最も靴メーカーの実力が反映される目付けなのかもしれません。

グッドイヤー・ウェルテッド製法などの靴には不可欠なパーツである細い革=ウェルト。アッパーとアウトソールとの境界線に、靴の外周に沿うような形で付き「出し縫い」が施されるアレですが、前回はその「巻き付け方」の違いを解説致しました。半周で済ませるのか全周させるのかで、靴の見栄えだけでなくその用途も多少変化することがお解かりいただけたかと思います。

今回はそのウェルトの表面に付く模様=「目付け」の違いについて詳しく見て行こうと思います。車輪状の特殊な焼きゴテ等でその表面に細かい凸凹を付ける目付けは、英語ではその方法からかウィール(Wheel)とかウィーリング(Wheeling)と呼ばれます。ウェルトに表出する出し縫いの糸を目立たなくしたり、時には出し縫いのピッチの目安としての役割までも果たす意匠ですが、これにも種類が色々ありまして……

上の写真のように、ウェルト表面に凸凹を全く付けないものを「平目付け」と称します。原点と言うべきか基本形であるこれは、言わずもがな出し縫いの糸がダイレクトに表出するのが特徴で、素っ気なさもあるものの底周りをスッキリ見せるのには非常に効果があります。
例えばジョン・ロブ(パリ)の通常ラインの既製靴は以前からこの意匠を採用していますが、恐らくそれは前出の視覚的効果のみならず、出し縫いのピッチのブレの無さを何気なく主張することも狙ったものでしょう。
(プレステージラインのものは、後述する「細目付け」です)

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