「靴の『底』について考えてみるシリーズ」、前回はアメリカの靴に見られる対称的な2種類のソールを採り上げてみました。どちらも今日ではそれほど多く見られる訳ではありませんが、忘れた頃にポコッとファッショントレンドに採り入れられてしまうところを見ると、存在感が十分にある底材であるのは間違いないのでしょう。

もっとあってもいいのになぁ……

前半分ラバー・後半分レザーのアウトソール

前半分ラバー・後半分レザーの複合ソールです。実用性の非常に高いアウトソールですが、新品の段階で採用する靴メーカーは案外少ないのです。もっと様々なブランドが採用してもいいのになぁ…… どうしてかな?

さて今回は、先日の記事でリペアショップのケーニッヒ デア マイスターをご紹介した際に、「新品の靴ではごく一部しか存在しない」と書いた、前半分はラバー・後半分にはレザーを用いたアウトソールを、もう少し詳しく見てまいりましょう。世間では「コンビネーションソール」とか「ハイブリッドソール」等とも呼ばれ、単なるラバーソールに比べスッキリとした印象に仕上げられ、お天気を気にせず履けかつ耐久性にも富んでいるので、もっと多くの靴メーカーが採用してもいいように思うのですが…… なぜ「ごく一部しか存在しない」のかな? 疑問に思われる読者もいらっしゃるでしょう。

その理由は、「作る・取り付けるのに意外と手間が掛かる」の一言に尽きます。2つの素材を用いると言うことは、単純に部材の種類が多くなるのを意味しますし、底付けに際してはレザー・ラバー双方に対応可能な接着剤や中物(クッション材)を、通常の製品とは別に開発・調達する必要が出てくる可能性もあるからです。また、この種のアウトソールを新品で製造する際には、履き心地の違和感を抑えるべくラバー部とレザー部との段差、特に両者の境界部での段差を無くす工夫も求められます。これはレザーのみ、若しくはラバーのみの底材で対応した際には全く気にする必要のない事柄であり、すなわち製造に際してのチェックポイントを追加してしまうことにもなるからです。

と言うことで、靴メーカーにとっては採用しただけのコスト的成果が実は得られ難いこの種のアウトソールですが、ユーザーニーズを重視し積極的に採用している会社が、代表的なところで2社あります。そのどちらのソールも、「量産性と実用性」を兼ね備えた非常にユニークな構造になっています!
真横から眺めた違い

前半分ラバー・後半分レザーの複合ソールの代表的なものを2つ、真横から眺めてみました。この写真だけで両者の技術的なアプローチの違いが、明確に解ります。さて、どこのメーカーのものでしょう?


次のページでは「その2社」のソールの構造的特徴を解説!