築年数から見るマンションの構造・性能
マンションが建てられたときの建築基準によって、構造・性能が異なります。
1996年になると、公庫融資の基準金利付きのマンションとし、スラブ厚15センチメートルかつ「耐久性」「バリアフリー」「省エネルギー」のいずれか1つ以上を満たすことが条件とされ、マンションの性能が向上するきっかけとなりました。
築14年以降のマンションで公庫融資の基準金利適用だったものであれば、耐震性、耐久性、遮音性など、品質面で一定の水準を確保したものだという、安心感があります。
1997年には都市計画法・建築基準法が改正され、築13年以降に建築確認申請したマンションでは、エレベーターホールがホテルのように豪華になったり、ガーデンファニチャーが置けて、ティータイムが楽しめる、奥行き2メートルのバルコニーが登場しました。タワーマンションもこの機にいっきょに増え始めます。タワーマンションは耐震技術を更に進化させました。免震・制震工法が普及したのもこれ以降です。
1999年に品確法が成立し、性能表示を取得したマンションは耐震性、耐久性、省エネルギー等、主な性能については等級で性能のレベルが表示され、より品質の高いマンションが登場するきっかけとなりました。中古マンションを買うのが不安という方にとって、築11年以降に建築確認申請した性能表示付きマンションであれば、一応安心なつくりである、という具体的な目安になります。
2000年になると、マンション管理適正化法が成立します。管理組合内の問題や管理業者の問題を解決しやすくするための法律で、マンションの管理について居住者の理解と当事者意識の醸成が進みました。これをきっかけに、予め作成された長期修繕計画付きで販売される新築マンションが登場しました。築10年以降に販売され、長期修繕計画のあるマンションであれば、品質そして維持管理についても一応安心とみることができるでしょう。
2009年になると、長期優良住宅の普及促進化に関する法律が制定されました、これは、良い住宅をきちんとメンテナンスして長く住むことを促進するための法律です。この法律が定める住宅の要件を満たすと、きちんとメンテナンスすることにより200年程度は長持ちするとされています。
築1年以降のマンションの中から、長期優良住宅に認定された物件を購入すると、性能を強化するためにかかった費用に相当する額の10パーセントが、その年の所得税から控除されます。また、返済期間が上限50年のフラット50という住宅ローンの利用ができます。ただし、長期優良住宅に認定されたマンションの数は首都圏では10件未満で、これからの普及が望まれるところです。
2009年には、住宅瑕疵担保履行法も施行されました。新築の住宅に重大な欠陥があった場合、10年間の瑕疵担保責任の期間内に、倒産などで業者が責任を負うことができない場合でも、保険会社に請求または供託金の還付請求を行うことができるように、マンションの売り主に保険加入を義務付けるというものです。この法律は姉歯事件を教訓としてできた法律です。2000年10月以降に引き渡された築1年以降のマンションが対象となります。
次のページで、あなたに合った中古マンションの築年数を割り出します。