幼いころの栄養環境が、生涯の健康に影響する?

妊娠中を含め、子どもが2歳になるまでの栄養環境が、将来の健康状態に影響を与える可能性が懸念されています。胎児期から1000日間の栄養改善は成人期の糖尿病・ガン・精神神経などの病気のリスクを減らすことなどが報告されているそうなのです。この概念は「DOHaD(ドーハッド)」または「生活習慣病胎児期発症説」と呼ばれています。

DOHaDは胎児期~2歳までの栄養を改善しようという世界的な考え方になっていて、先進国のみならず開発途上国でも広く浸透していますが、日本ではあまりなじみがない、というコメントが日本DOHaD研究会によって発表されています。


妊娠中から2歳までの栄養が注目されている理由

妊婦と子ども

少ない栄養でも生きていくことができる体とは、どういうことか

胎児期から幼少期の不適切な栄養が、大人になってからの病気リスクを上げるという説は、イギリスの疫学者David Baker氏によって提唱されました。研究により、出生時の体重が低いと、心筋梗塞による死亡率が高くなる事をはじめて明らかにしたとのことです。

その後の研究や報告で、胎児期~幼少期の低栄養や発育遅延が、脳卒中・高血圧・2型糖尿病・骨粗鬆症・ガン・精神神経疾患などのリスク要因となることが明らかになっているといいます。妊娠中に低栄養状態だと、少ない栄養でも生きていける体として発育していまい、病気になりやすいという考え方もあるようです。

DOHaD説を日本国内で検証するために、母子手帳を用いた後ろ向き疫学調査(※)が行われたそうです。ダイエットをしている、低体重(やせ型)の20~30代の女性は低体重の子を産むことが多く、「妊娠前の低体重 → 低体重の子 → 小児肥満・高血圧のリスク」などが確認されたと報告しています。

※過去に生じたことがらについて調査する研究のこと

次ページでは、これらを踏まえて妊娠中の栄養で気をつけるべきことを解説いたします。