3歳児向け絵本の選び方
3歳児にオススメの絵本は?
1~2歳のまだ赤ちゃんっぽさが残る時代から、グンとお兄ちゃん、お姉ちゃんぽくなる3歳の時期。絵本でも、簡単なストーリーを追って楽しめるようになります。繰り返しからのわかりやすいストーリー展開を楽しんだり、登場者たちの気持ちを想像したり……。この頃から絵本の世界にぐっと入り込んでいく子もいます。3歳の時期のおすすめ絵本を10冊ご紹介します。
<目次>
リズミカルなかけ声が子どもに人気『おおきなかぶ』
3歳児におすすめの人気絵本の1つ『おおきなかぶ』。リズミカルな「うんとこしょ、どっこいしょ」のかけ声、「なかなか抜けずに助っ人を呼ぶ」が何度も繰り返された後、ようやくおおきなかぶが抜けるスッキリ感、頑張ったみんなのとびきりの笑顔。小さな子どもたちを夢中にさせてくれます。色々な絵の「おおきなかぶ」の絵本があると思いますが、これは、彫刻家の故・佐藤忠良さんのちょっと渋い絵柄の『おおきなかぶ』です。腰の曲がったおじいさんが、なかなか抜けない大きなかぶを相手に奮闘。ひざを抱えて座ったり、大の字に寝転がったり、腕組みをしたり……。他の登場人物や動物たちの様子も、躍動感いっぱいに描かれています。犬や猫、ねずみたちの表情や、しっぽの動きにも注目してみると楽しいですよ。
絵本『おおきなかぶ』
【書籍データ】
作: A・トルストイ
絵: 佐藤 忠良
訳: 内田 莉莎子
出版社: 福音館書店
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発行以来多くの子ども達に愛されてきた『ぐるんぱのようちえん』
3歳児におすすめの人気絵本の1つ『ぐるんぱのようちえん』。張り切って仕事を探し、色々な仕事に挑戦するぞうの「ぐるんぱ」。どの職場でも一生懸命に働くのですが、雇い主のニーズに合ったものを作ることができず、「もう、けっこう」と愛想を尽かされてしまいます。しょんぼりして涙が出そうになっていたぐるんぱが、ようやく、自分が生き生きとできる仕事に巡り合うまでのお話です。ページのカラフルな色使い、ぐるんぱが次々と色々な物を作り出していく様子にワクワク! 職場を何度もクビになってどんどんしょんぼりしていく様子には心配になりますが、ぐるんぱが再び笑顔になって生き生きと仕事をする様子はとてもすてきです。最後のページの絵の中に、ぐるんぱが今まで一生懸命作ってきたものも仕事に生かされているのを見つけて一層温かい気持ちになれます。大きな体に優しそうな笑顔、いつも一生懸命なぐるんぱは、この絵本が初めて発行された1965年から、多くの子どもたちに愛され続けています。
絵本『ぐるんぱのようちえん』
詳細はこちら >>> すべての経験が今を築く『ぐるんぱのようちえん』
【書籍データ】
作: 西内 ミナミ
絵: 堀内 誠一
出版社: 福音館書店
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友だちとの関わり合いを学ぶ3歳前後におすすめ 『どうぞのいす』
3歳児におすすめの人気絵本の1つ『どうぞのいす』。動物たちのちょっとした思いやりの気持ちの連鎖が繰り広げる、何とも温かいお話『どうぞのいす』。1~2歳の頃は物の取り合いなどが起きると、まだなかなか譲り合うことが難しいですが、3歳前後になると、我慢したり、「いいよ」と言えることもできるようになってきます。そんな子どもたちから見たら、この絵本に出てくる動物さんたちの「どうぞ」の思いの連鎖は、とてもすてきな光景に映ることでしょう。このお話の面白いところは、動物たちは互いに顔を合わせてはいないのに、後からそこに来るかもしれない相手のことを思って思いやりを残していくことで、お話が展開していくところです。かわいらしい動物たちの仕草や表情、口に出して読むと穏やかな気持ちになる文章。繰り返しのわかりやすいストーリーの中にも変化に富んだ光景があり、飽きさせません。何度も「読んで」と言われる1冊になるかもしれません。
絵本『どうぞのいす』
【書籍データ】
作: 香山 美子
絵: 柿本 幸造
出版社: ひさかたチャイルド/チャイルド本社
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嬉しいことを皆で一緒に感じる楽しさを味わえる『ルラルさんのにわ』
3歳児におすすめの人気絵本の1つ『ルラルさんのにわ』。一軒家に、自慢の広い芝生の庭を持つルラルさん。手入れもそれはそれは丁寧で、近所の動物たちが庭に入ろうとすると、パチンコで追い払う徹底ぶり。そんなある朝、ルラルさんは、芝生に大きな丸太が転がっているのを見てびっくり仰天! 蹴飛ばそうとすると、丸太ではなくワニだという意表を突く展開。わにが怖くてパチンコも使えないルラルさんでしたが、穏やかなわにに誘われて芝生に寝転ぶうちに……。排他的だったルラルさんが芝生のチクチク感を味わうことで価値観を変え、最後のページには、大人も歓声を上げてしまう楽しい光景が広がります。楽しいこと、嬉しいことをみんなで一緒に感じるっていいな。絵本の中のルラルさんの笑顔が伝えてくれます。
絵本『ルラルさんのにわ』
【書籍データ】
作: いとう ひろし
出版社: ポプラ社
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ページ数が多いもののすっかり絵本に集中する面白さ『そらとぶパン』
3歳児におすすめの人気絵本の1つ『そらとぶパン』。線路の上を走ってきた焼きたてのパンに乗り込んだ子どもたちと大人。野原を走り、川にかかる橋を渡り、ふわりと空に飛び立ちます。空に浮かぶ雲のソフトクリームをみんなでペロペロなめ、みんなが乗っているパンの数百倍も大きい雲の中に入って行ったら、そこには、パンでできた景色の中に、「パンでできたパンのくにのひとたち」が暮らす世界が広がっていました!チョコレートパン、クリームパン、ジャムパン、メロンパン、レーズンパンと、子どもたちが大好きなパンがページに広がります。パンの形も、おうち、くるま、おだんご、バットとボール、バナナなど、とてもユニーク。パンの国の旅では、パンでできた怪獣に食べられてしまうというドッキリのハプニングもありますが、パンの力で平和的に解決! ユニークで冒険心をくすぐるストーリー、3歳の子にはそれなりのページ数ですが、すっかり絵本に入り込んで集中して聞き入るお子さんもいることでしょう。
絵本『そらとぶパン』
【書籍データ】
作・絵: 深見 春夫
出版社: PHP研究所
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昔話の王道のような展開が長く愛される理由
『三びきのやぎのがらがらどん』
3歳児におすすめの人気絵本の1つ『三びきのやぎのがらがらどん』。北欧民話をもとにした『三びきのやぎのがらがらどん』。大中小の3匹のやぎが、怪物トロルと対決します。3匹のやぎの機転、チームワーク、スリルあふれる局面。そして無事トロルを倒してホッとする安心感と、ユーモアあふれるラスト。昔話の王道のような展開は、やはり子どもたちにとって魅力的なようで、読み聞かせでも人気がある絵本です。3匹のやぎの名前の「がらがらどん」や、橋を渡る際の「かたこと」「がたごと」「がたんごとん」などの響きの繰り返しも味わいの1つ。小さいやぎ、中ぐらいのやぎ、大きいやぎでトーンに変化をつけて読んであげると一層楽しめます。笑いや驚き、恐怖や心配、喜びや安心……。大好きな人に読んでもらう絵本の中で様々な感情を体験することは、徐々に広がる人間関係の中で、他者の気持ちを想像する助けにもなってくれるでしょう。
絵本『三びきのやぎのがらがらどん』
【書籍データ】
作: (ノルウェーの昔話)
絵: マーシャ・ブラウン
訳: 瀬田 貞二
出版社: 福音館書店
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個性的なおばけが魅力『おばけでんしゃ』
3歳児におすすめの人気絵本の1つ『おばけでんしゃ』。「ようかい駅」を出発するおばけでんしゃに、おばけたちが乗り込みます。出発前の電車の脇で、長いふんどしを垂らした馬のおばけが、スターティングポーズ。ろくろっくびの小僧は、電車の窓から首を伸ばし、駅弁を眺めています。角の生えた小鬼は、移動販売車にある子ども向け雑誌を吟味。おしゃぶりをくわえた大きな赤ちゃんおばけに、スーツにハットでビシッと決めたがい骨も。どんな電車の旅が始まるのでしょうか!?電車は、夏の海、秋の山の紅葉、雪景色をへて、満開の桜を駆け抜けます。お話は、駅名を知らせるアナウンスと、「がたたん がたたん」という電車の音のみで展開していきます。
おばけたちは皆とても個性的で、何度読んでも新しい発見があります。このページでここにいたおばけは、次のページではここにいる。姿を変えてこんなところで遊んでいる。こんなところにもおばけが隠れている! 絵によって豊かに語られる世界に引き込まれ、「絵を読む」楽しさを存分に味わうことができます。
絵本『おばけでんしゃ』
【書籍データ】
作: 内田 麟太郎
絵: 西村 繁男
出版社: 童心社
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ちょっぴりスリルも味わいたい子の心をつかむ『ねないこだれだ』
3歳児におすすめの人気絵本の1つ『ねないこだれだ』。せなけいこさんの『ねないこだれだ』。自分が子どものころに読んで、怖くてたまらなかったという思い出を持つ方も少なくないようです。かくいう私もその1人です。大人になってから読んだ時には、「何であんなに怖かったんだろう」と拍子抜けしたものです。夜更かししている女の子をおばけが連れていき、女の子もおばけの形になって空に上っていくという何とも怖い終わり方。怖いけれど、ちょっぴりスリルも味わいたい子どもたちの心をつかむのでしょう。人気の高い絵本ですね。「寝ないとおばけが来るよ」と脅しに使うのではなく、大好きなお母さんやお父さんの声で読んであげて最後はホッとできるお楽しみの時間にしてあげてくださいね!
絵本『ねないこだれだ』
【書籍データ】
作・絵: せな けいこ
出版社: 福音館書店
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「大好き」の気持ちを育む『だいすきっていいたくて』
3歳児におすすめの人気絵本の1つ『だいすきっていいたくて』。元気いっぱいの小さなハムスターのロラが紡ぎ出す「すてきなことば」。ロラの口から「だいすきよ!」ということばが繰り返し飛び出してくる場面は、3歳前後の子でも、とびきりワクワクするようです。絵本を見ながら親子で「だいすき!」を繰り返し発していると、さらにワクワクした気持ちになります。自分も周りも嬉しくなることばを口に出して伝えると、笑顔や幸せが連鎖していきます。子どもの「大好き」の気持ちは大事に育んであげたいものです。ロラの様子は読み手の大人には、「小さな子が思いを伝えるってエネルギーの要ることなんだな」と気づかせてくれます。おしゃべりが上手になってきたお子さんの色々なことば、引き出してあげたいですね!
絵本『だいすきっていいたくて』
詳細はこちら >>> 素敵な言葉、誰に伝える? 『だいすきっていいたくて』
【書籍データ】
作: カール・ノラック
絵: クロード・K・デュボワ
訳: 河野 万里子
出版社: ほるぷ出版
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赤ちゃんと猫の触れ合いで起こる気持ちの変化『ねえだっこして』
3歳児におすすめの人気絵本の1つ『ねえだっこして』。「わたし このごろ つまらない……」。猫が自分の気持ちを語る形でお話が進んでいきます。赤ちゃんをひざの上で抱きかかえ、ほおを赤ちゃんの顔にぴったりとつけているおかあさん。その傍らにちょこんと座り、2人の姿に眼差しを向けている猫。絵本『ねえだっこして』の表紙は、温かく切ない雰囲気でいっぱいです。甘えたくても「ちょっと まってね」「あとでね」ばかりのお母さんに、「あかちゃんなんてつまらない」と思っていた猫の「わたし」の心が、赤ちゃんとのふれ合いの中で少しずつ変化していきます。下の子を迎えたり、知り合いの赤ちゃんを見たりして、「自分より小さい存在」についても思いを巡らせるようになる年頃。成長したい気持ちとまだまだ甘えたい気持ちの狭間で揺れることもある子どもたちの心に、そっと寄り添うような絵本です。
絵本『ねえだっこして』
詳細はこちら >>> おかあさんを見つめる小さな目『ねえだっこして』
【書籍データ】
作: 竹下 文子
絵: 田中 清代
出版社: 金の星社
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