リーダーシップ/リーダーシップ活用事例

ラグビー・キャノンイーグルスGMに聞くリーダーシップ

日本最高峰のラグビーのプロリーグ、トップリーグでこのところ躍進著しいキャノンイーグルスのGM(ジェネラルマネジャー)、佐藤一弥さんにインタビューを行いました。GMとは組織を強くするための採用から育成など全てのマネジメントをする総責任者。「リーダーシップ」をメインテーマにお話を伺いました。

藤田 聰

執筆者:藤田 聰

キャリアプラン・リーダーシップガイド

権限を行使せずに統率できるのがリーダーシップ

極限まで自分を追い込んだ経験が未来に活きるのです

極限まで自分を追い込んだ経験が未来に活きるのです

リーダーシップとは何か。“権限を行使してメンバーを統率するのがマネジメントであり、権限を行使せずに統率できるのがリーダーシップである” (詳しくは別記事「あの人についていこう―リーダーシップ7つの要件」)と、ガイドは考えます。その意味で象徴的な方にインタビューをしました。ラグビーを通じてガイドと接点がありますが、神輿を担ぎたいと思わせる何かを持っている稀有なリーダー。キャノンイーグルスのGM(ジェネラルマネジャー)の佐藤一弥さんに「リーダーシップ」をテーマにお話を伺いました。


リーダーの役割とはメンバーをやる気にさせること

ガイド:佐藤さんのリーダーシップの原点はどんなところでしょう?

佐藤氏:高校時代からラグビーを始め、大学では体育会で主将を務めました。当時は縦の関係が厳しく、練習では極限まで追い込まれ、不条理なことも多々ありました。あれほどきつい練習に耐え抜いたので精神的には強くなったと思います。ラグビーは集団球技でポジションによって役割が違います。強いチームを創るには足し算ではなく、掛け算の発想が必要であることを肌で感じました。チームとしての目標を明確にし、同じ方向に向かせ、メンバー一人ひとりのその気にさせることこそ、リーダーの役割です。

ガイド:キャノンに入社され、20代の頃はトップセールスだったと伺ったことがあります。その頃のお話も伺えれば。

佐藤氏:入社当時、営業として人の3倍やると心に決めました。最初の配属先は住宅地域で零細の工場がある程度でした。当時の直販は飛び込み営業で、数か月間、テリトリーを廻りつくしましたが、中々成果が出ず、これくらいやったのに成果が出ないのは自分が向いていない、辞めようかとぎりぎりまで追い詰めました。そんな中でようやく1件初めての契約が取れました。翌年に商業地域に異動があり、訪問件数と確率両面で今までの経験が生き、そこからはコンスタントにトップレベルの成績を獲ることができました。

営業のイメージは“また営業が来たか”というマイナスイメージから始まります。大体、“間に合っている”、“忙しいから”、“その商品入れたばっかりだよ”、ということでほとんど門前払いです。その繰り返しを真に受けていると自分が傷つき、本来の自分が出せなくなるのです。徹底的にこのような反応にうまく切り返す準備を繰り返しました。
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