「問いかける技術」を出発点に考える

問いかけることは人間関係を良好にしていきます

問いかけることは人間関係を良好にしていきます

キャリアアンカー」などを提唱した著名なMITの教授エドガー・H・シャイン氏の近著「問いかける技術」はこれまでの欧米を中心としたコミュニケーションスタイルに一石を投じ、これからのコミュニケーションにおけるリーダーシップを提唱した本とも言えます。

自己主張をすることで他者に対して主導権を握るのではなく、謙虚に人の話を聴くことで人望を厚くし結果的に統率していくことを提唱されています。

このような考えが徐々に浸透していけば、ゆくゆくは「謙虚さ」を大切にする人たちがコミュニケ-ションにおいてリーダーシップを発揮する時代が来ることも十分考えられることでしょう。

象徴的なリーダーとして直ぐに思い浮かぶのは宇宙飛行士の若田光一さんです。日本人として初めて船長に選出された方です。目の前にある喫緊の課題に対して、各国クルーの経験や専門性を最大限尊重して意見収集を行い、的確で迅速な判断をされました。謙虚に問いかけることでメンバーからの厚い信頼を獲得し、共感と納得に基づくリーダーシップをいかんなく発揮されました。

さて、本の内容を要約しながら展開していきましょう。コミュニケーションで大事なのは「話す」ことより「問いかける」こと、他者とより良い信頼関係を築く上で重要な「問いかけ」の方法について紹介されています。

話し合いが、良からぬ方向へ逸れる。こんな事態を招かないためには、次の3つのことを自分に言い聞かせる必要があると書かれています。以下、3つのポイントをガイドなりに解説していきます。

コミュニケーションで大事な3つのこと

1.自分から一方的に話すのを控える

「話す文化」ではない場所で、一方的に話す人は往々にして煙たがられます。その意味では、多弁にすぎて主導権を握ろうとするよりも空気を読むことの方が大事。問いかけのポイントはここにあります。

2.「謙虚に問いかける」という姿勢を学び、相手にもっと質問するように心掛ける

相手の専門能力のレベルにも拠りますが、謙虚さを持って、相手を尊重する姿勢が何よりも大切です。質問するかどうかは自分自身の目的意識問題意識当事者意識の強さで決まります。研修の仕事では顕著ですが、これらを持たない受講生は受け身でなかなか問いかけをしてきません。

3.傾聴し、相手を認める努力をする

社会学的に見ると、質問せずに一方的に話すことは、上から見下ろす形になり、相手を不愉快にさせます。「謙虚に問いかける」ことで、実は良い関係を築けるのです。相手の話に耳を傾け、相手の言わんとするところを理解する努力をすれば自然と相手は心を拓くものです。