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パン作りに必要な材料は?自分の味を出す選び方

パンを作る時どんな材料を揃えればいいのか……基本的なパン作りの材料をご紹介します。選ぶ材料によってパンの味だけでなく風味や保存期間にも違いがあります。自分にぴったりのパンを美味しく焼くためにまずは材料の選び方から見てみましょう。

小泉 真咲子

執筆者:小泉 真咲子

はじめてのパンレシピガイド

手作りパンを楽しむために必要な材料は?

パン作りに必要な材料は?自分の味を出す選び方

パン作りの材料と選び方とは

パンは基本的に強力粉・イースト・塩・水があればできるといわれていますが、 油脂やお砂糖、スキムミルクを加えることで、更に美味しくなります。作り方だけではなく、材料の選び方次第で何通りにも楽しめますので、ここでは何をどう選べば良いかお伝えしていきますね。慣れてきたらお気に入りの材料を組み合わせて、自分だけのオリジナルパンを作るのも楽しいですよ。
 
<目次>
 

パン作りに適しているのは「強力粉」

たんぱく質の多い小麦粉は良く膨らみます

たんぱく質の多い小麦粉は良く膨らみます

小麦粉は、たんぱく質の含有量によって最強力粉・強力粉・中力粉・薄力粉などに分けられ、パン作りでは一般的にたんぱく質の多い強力粉(もしくは最強力粉)が使われます。たんぱく質には、水を加えてこねるとネバネバとする性質があり、この粘り気のある組織をグルテンといいます。グルテンは、発酵中にイーストから発生される炭酸ガスを、外へ逃がすのを防ぐ役割があるため、これが多いほどパンが良く膨らみ、ふっくらと焼き上がるというわけです。

粉には外国産、国産と様々な種類がありますので、まずは定番の粉をご紹介します。

■イーグル(外国産) 
カナダ産とアメリカ産の小麦をブレンドした、パン屋さんで最も人気の高い定番の粉です。香ばしいクラストと柔らかな風味が特長で、どんなパンにも相性が良く、ふんわりとボリュームのある焼き上がりに仕上がります。色と風味のバランスに優れ、初心者の方でも扱いやすい点も魅力です。

■ゴールデンヨット(外国産) 
カナダ産とアメリカ産の小麦をブレンドしたもので、たいへん伸びがよくボリュームたっぷりに仕上がるのが特長です(一般的な強力粉に比べて、たんぱく質の割合が高く、最強力粉と呼ばれています)。パンの風味やボリュームを高めるためにモルトフラワー、グアーガム(増粘剤)などが添加されていますので焼き上がったパンはふわふわ、もちもちの食感に。たんぱく質が少ない他の種類の粉(グラハム粉・全粒粉)やレーズン・ナッツなどを生地に混ぜた時にも膨らみを助けてくれます。

■はるゆたかブレンド(国産) 
不動の人気を誇る「はるゆたか」をベースに、輸入小麦やグルテンに頼らず北海道産小麦(ホロシリ、春よ恋)をブレンドして作った強力粉。もちもち感と香ばしく深い甘みが特長で、小麦の味が生きたパンに仕上がり、どんなパンにも使用できます。

初心者の方にはしっかりボリュームの出る外国産がおススメですが、慣れてきたら国産の「北海道産小麦粉」のような、風味の良さやふっくらとした仕上がりに定評があるものも試してみたいですね。是非、あなたにピッタリと合うお好みの粉を見つけましょう。

ちなみに、中力粉は「フランスパン」や「ハード系のパン」に使われます。薄力粉は「お菓子」に使用されることが多く、パン作りでは強力粉にブレンドして使われることもあります。そのほかにも小麦をまるごと挽いた粉「全粒粉」や「ライ麦粉」などの粉もあり、これらを強力粉に配合して作ると食物繊維やビタミンB群などミネラルも補え、味や風味にもコクがでます。
 

生地を発酵させる「イースト」

強力粉に直接混ぜて使用することができます

強力粉に直接混ぜて使用することができます

イーストには生イーストとドライイーストがあり、一般的に使われているのは予備発酵が不要で扱いやすい顆粒状のドライイーストです。一度開封したイーストは密閉して冷凍庫で保存しましょう。

■fermipanインスタントドライイースト 
安定した発酵力が人気です。糖分が15%以下のパン生地に適しています。

■safインスタントドライイースト 
一次発酵がゆっくりですが仕上発酵の伸びが非常に良く、力のあるパンが得られます。

また、イーストの変わりに「天然酵母」や「白神こだま酵母」を使ったパンも人気を集めています。
 

パン生地の網目をしっかりさせる「塩」

天然塩は栄養バランスに優れ、ミネラルが豊富

天然塩は栄養バランスに優れ、ミネラルが豊富

塩にはグルテンの組織を引き締めて、生地の網目をしっかりと安定させる役目があります。パン作りに適した塩は意外と多く、お好みで使うことができますが、精製された塩よりも、栄養的にミネラルが豊富な天然塩の使用がおススメです。

下記の2種類はパン作りに人気の塩です。

■ゲランドの塩(あら塩) 
フランスのブルターニュ半島南部のゲランド塩田に海水を引き込み、太陽と風の力だけでゆっくりと結晶化させたもの。甘みも感じられるような深い味わいです。

■シママース 
輸入天日塩を沖縄の海水で溶解し、平釜でじっくりと時間をかけて煮つめたもの。主成分の塩化ナトリウム以外にニガリ成分のカルシウム・マグネシウム・カリウムなどを含んでいます。

塩は多く使用すると生地の発酵を遅らせてしまうので、粉の2%までが目安です。イーストの発酵力を妨げないよう、作業をする際は別々に加えましょう。
 

パンに味・コクを与える「油脂」 

オーガニックトランスファットフリーショートニング

オーガニックトランスファットフリーショートニング

風味やコクを加えてパンを美味しくします。油脂には無塩バター、有塩バター、ショートニング、オリーブオイルなどがあります。それぞれの味がパンに直接反映されますので作るパンに合わせて油脂を選びましょう。

バターは酸化によって味・風味が低下しやすく、臭いを吸収しやすいので、必ずラップなどで密閉して冷蔵庫で保存します。まとめて購入した場合は小分けにして冷凍保存しておくと便利です。

ショートニングは色々な種類が販売されていますが、トランス脂肪酸が気になる方は、有機栽培によるパームを原料とした「オーガニックトランスファットフリーショートニング」などもありますので、こちらを選ぶと良いでしょう。
 

イーストの働きを助ける「砂糖」

ブラウンシュガーはゴツゴツしているので仕込み水で溶かしてから使用します

ブラウンシュガーはゴツゴツしているので仕込み水で溶かしてから使用します

砂糖は焼き色や風味を良くしてくれるとともに、イーストの働きを活発にし発酵を早めてくれます。多くのパンには上白糖が使われますが、生地自体に甘さを利かせたい時は、ミネラルを多く含み強い甘みとコクがあるブラウンシュガーを使用すると良いでしょう。




 

パンの仕上がりをふんわりさせる「卵」

卵

卵を加えることで風味や栄養価もアップします

卵黄に含まれるレシチンという成分には、本来混ざり合うことのない水と油を混ぜる乳化作用があります。この作用により水分を油の中に細かく閉じ込める事ができ、よりきめが細かくふんわりとしたパンが焼き上がります。

卵黄はデンプンの老化をおくらせる作用もありますので、パンが硬くなりにくくなります。
 

パンに香りや風味を与える「牛乳・スキムミルク」

牛乳を濃縮し水分と脂肪分を飛ばした粉末の乳製品

牛乳を濃縮し水分と脂肪分を飛ばした粉末の乳製品

牛乳中の糖質がカラメル化反応することによって、パンの表面に鮮やかな焼き色や香り・風味をつけます。また、パン生地の老化を防ぐ役割もあります。スキムミルクは脂肪分がほとんどなく、カルシウムやたんぱく質を豊富に含んでいます。牛乳と比べても賞味期限が長いので便利です。

 

パン作りの材料が購入できるお店

富澤商店 
材料だけでなくパン型の購入も出来るので幅広く品物が揃います。ネットでの購入も可能で、送料もお安い点が嬉しいです。

プロフーズ
日本のこだわり食材や、体に優しい自然派食材などを多く取り揃えているので、材料にこだわりの多い方にはおススメのお店です。ラッピングも多数取り扱いがあります。

パン作り材料のワンポイント・アドバイス

材料を買う際、あれもこれも……と、色々欲しくなると思います。が、その気持ちはぐっと抑えて、買い過ぎにはくれぐれも注意しましょう。なぜなら、粉は一度開封すると湿気を含んでしまうからです。湿気はカビや害虫の原因になり品質も変わってしまうことがあります。保存する際には風通しが良く、涼しく乾燥した場所を選びましょう。

パンは粉を変えるだけでも、焼き上がりの味が変わってきます。まずはそれぞれの違いを知り、自分好みの粉を見つけることから始めるのも楽しいですよ!


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※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。

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