このところ、新聞で話題になっているのがプロの経営者。環境変化に伴い、企業風土変革が求められ、変革の旗手として外部のプロ経営者に白羽の矢が立っています。先日、プロ経営者の先駆けとして知られる松本晃さんの話を伺いました。

松本氏は大学院終了後、伊藤忠商事に20年間在籍され、最後の6年間は医療系子会社で経営の舵取りをされました。ジョンソン・エンド・ジョンソンでは医療系事業のトップを経て、定年までの8年間同社社長をされました。2009年、カルビー社に移り、現在、同社の代表取締役会長兼CEOに就任されています。

劇的な成長を成し遂げるために、トップリーダーとして必要なこと

プロとしての成果が大前提-経営のプロフェッショナル、松本晃さんの考え方だ

プロとしての成果が大前提-経営のプロフェッショナル、松本晃さんの考え方だ

松本氏がトップに就任された5年前(2009年)と現在(2014年)とを比較すると、スナック市場(4000億円規模)のシェアは46%から55%に、ポテトチップス市場のシェアは57%から72%に、今後成長が期待されるシリアル市場のシェアは13%から35%に増加。東日本大震災に見舞われた2011年3月11日に株式上場され、初値は2100円、現在(2014年8月27日ピーク時)14940円と7倍上昇しています。

つまり、この5年間で劇的な成長を遂げているのがカルビー社で、トップである松本氏のリーダーシップに拠るところが大きいものです。

松本氏曰く、会社経営は、“世のため、人のため”という視座と、儲けるという視座の2つで成り立っているとのこと。経営に欠かせない3つの柱は、ピラミッドの下から上に、ビジョン、プラン、リーダーシップとのことです。前職のジョンソン&ジョンソンの「我が信条」という企業理念は有名ですが、責任の優先順位は顧客、従業員、社会、株主の順になっています。カルビー社でもこの順番で考える新しい企業理念を策定されています。

積み上げ式の目標策定(帰納法)ではなく、あくまでも理想の姿を見据えての目標策定(演繹法)が大事とのこと。かなりストレッチしたゴールセッティング(ジャンプしてぎりぎり指先が届くイメージ)なのでしょう。

カルビー社の変革-どこにメスを入れたか

松本氏曰く、「会社を変革するためには、人からではなく、仕組みを変革することが第一」とのこと。「次に組織、最後に人」という順番で考えることが重要です。今日のマーケティングには、「顧客のためにというのではなく、顧客の立場で何が求められているか」という視点が必要になります。

松本氏が大きくメスを入れたのは次の2つだといいます。ひとつは、営業は外で勝負する仕事なので、「オフィスは不要、残業手当も不要、報酬は出来高払い(コミッション制)」としたこと。もうひとつは全社的に「中央集権ではなく分権化を心掛け、権限をどんどん下に委譲してきた」ことです。