大幅な値上げの背後にあるディズニーリゾートの思惑とは?
大幅な来園者の減少も予測される中、ディズニーリゾートの『アフター6パスポート』の大幅な値上げには、いったいどのような狙いがあるのでしょうか?マーケティング理論に基づいて推測すれば、次の4つが挙げられるでしょう。
1) 値上げによる売上アップを図る
まず、一つには、単純に値上げによる売上アップを図るという狙いがあるでしょう。
今回は3400円から3900円と実に15%にも及ぶ大幅な価格アップです。この値上げによって確実に来園する顧客は減少するでしょうが、来園者の減少幅が12%までに留まれば入場料収入はアップする計算です。恐らくディズニーリゾートでは、事前の顧客に対する調査で10%を大幅に超える来園者の減少はないと判断したのではないでしょうか。そうであれば、売上は確実にアップすることにつながっていくのです。
2) より滞在時間の長いパスポートへのシフトを図る
ディズニーリゾートでは、開園から閉園までフルに利用できる『1デーパスポート』、平日の午後6時から閉園まで利用できる『アフター6パスポート』、土日、祝日の午後3時から閉園まで利用できる『スターライトパスポート』と大まかに3つの料金体系があります。
価格は『1デーパスポート』6400円、『アフター6パスポート』は値上げ後3900円、『スターライトパスポート』5000円(いずれも大人料金)となります。
ここで1時間当たりの価格を計算すると、『1デーパスポート』は492円、『アフター6パスポート』は975円、『スターライトパスポート』は714円と、『アフター6パスポート』の1時間あたりの価格が突出して高いことがわかります。
そうすると来園を予定している顧客には、時間あたりにすればより割安感のある『1デーパスポート』や『スターライトパスポート』を購入しようと検討する者も現れてくるはずです。そして、もし『アフター6パスポート』から他のパスポートへ顧客が流れれば、入場料収入のアップや滞在時間の延長による園内での売上アップにつながり、トータルで大幅な売上増を図ることも決して不可能なことではないのです。
まだまだ考えられる『ディズニーリゾートの思惑とは?』残りの2つは次ページで!