実力を披露する前に完売
池尻団地の建て替えでは、仮設のモデルルームでの印象と実際に竣工した建物の迫力との差に驚き、その詳細を記事にも取り上げた。(「池尻団地の建て替えから学ぶべき2つのこと」参照)マンションは一戸建てと違ってスケールが大きく、その外観と入口(エントランス)、空地の雰囲気で印象が異なる。それらはいずれも、仮設のモデルルームでは模型とパネル(またはシアター画像)でしか確認できないものばかり。購入者は、物件の本当の実力を想像するしかないのだ。
タワーマンションの眺望も同じ。さらにいえば、高級(タワー)マンションであればある程、イメージと実力のギャップは大。マンションの着工戸数は建築費高騰のあおりを受け、減少傾向に(右上グラフ参照)。完成するまで完売しない現場は当面増えないと思うが妥当かもしれない。青田売りでも善し悪しを見極める理解力を養うことが現実的な対抗手段といえるだろう。
好適な事例「ザ・パークハウス西麻布レジデンス」
理解力を養うための好適な例が近頃竣工した。「ザ・パークハウス西麻布レジデンス」(三菱地所レジデンス)である。竣工時にはぜひ内覧させていただきたい旨を半年以上前から三菱地所広報部に申し出ていた。理由は2つあった。ひとつは、外観である。骨材が風合いの一部をなす研り出しプレキャストコンクリート板を貼りめぐらした外壁の高級感は如何程か。もうひとつは眺望。緑地の豊富な高級マンションがどのような借景となるのかを実際に確かめたかった。
以下、内覧時に撮影した画像をご覧いただきたい。
高層建築物に希少価値が生まれる!?
さて、現在港区(湾岸エリアを除く)では、建築物の高さ制限に関するルールを見直し中。「周辺への配慮なく建設される中高層建築物を抑制し、良好な居住環境と落ち着きある街並みを形成する」ことを目的に、区に寄せられた声やアンケート調査を踏まえ、有識者の意見も考慮し新たなルールの導入を検討している。すでに区民からの意見募集期間や説明会も終わり、10月からの「都市計画手続き」を待つばかりだとか。今後のスケジュールは来年3月「都市計画決定」、同10月「高度地区決定告示・運用開始」。
今後一切タワーマンションが建てられないというわけではなく、一定の条件を満たせば許認可は受けられるという。この度の見直しは、オフィスビルなどを意識した新ルールとの印象を持ったが、港区内陸部での超高層マンションは希少性が高まる可能性も否定できない。
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