イメージと実物の差

先月竣工した「THE ROPPONGI TOKYO」

先月竣工した「THE ROPPONGI TOKYO」

青田売りがマンション分譲の主流となって久しい。法令上は、工事がはじまっていなくても建築許可を取得していれさえすれば、土地付き建物として売って良いことになっている。その場合、購入検討者は図面とパース(イラストやCGで作成した完成予想図)、模型やモデルルームで建物を想像するしかない。

マンションは、いざ完成するとそれなりに迫力があるものだ。スケールの大きさ、エントランスまわりの高級感、そしてタワーであれば見晴らしの良さに思わずため息がもれる。模型やパースよりも、たいていは実物のほうが見栄えがするものである。

とはいえ、すべてが想像以上、というわけでもない。外壁の色合い、仕上げ材のグレード、植裁のボリュームなど「思っていたのと違う」という声もある。現にパースのキャプションは以前なら「実際と異なる場合があります」だったのが、今では「実際とは(多少)異なります」とあらかじめ断っているものがほとんど。イメージと実際の差をめぐるトラブルを連想してしまう。

「内廊下」に注目

「THE ROPPONGI TOKYO」エントランスアプローチ

「THE ROPPONGI TOKYO」エントランスアプローチ

しかし、あらかじめイメージできていたところならまだいい。問題は、住んではじめてわかる発見も意外に多いこと。例えば建物の出入口。人も車も安全(視界)は確保されているか、逆にプライバシーへの配慮はあるか。パブリックとの境界は毎日のことだけに、気になりはじめるとじつに厄介である。

毎日といえば、建物内の廊下もそうだ。開放廊下に置くことになる室外機の音や排水はモデルルームではわからない。高級マンションの定番、内廊下はなおさら。しょっちゅう行き来する所だけにストレスは禁物なのだが、これがじつに物件によって差が激しい。幅や照度によって閉塞感を感じたり、床の歩く音が気になったり。好みがはっきりしている人ほど事前チェックが欠かせない場所なのだが、廊下の善し悪しなんて思いもよらなかったという人が、これまた多い。

そこで高級マンションの内廊下の画像を、次ページ以降、6物件掲載した。それぞれの違いを感じ取ってもらたい。そして、今後検討する際、物件の特長である空間と、つい見過ごしてしまいがちな日々使う空間とを注意して見極めることを実践していただければ幸いである。