三井不動産レジデンシャル 山田貴夫氏

 


体系立てて、「防災」を考え直す

坂根
三井不動産レジデンシャルは、昨年12月に防災対策を抜本的に見直されましたね。
山田
いま、小山さん(三菱地所レジデンス)がおっしゃったように、当社でも、超高層住宅やある程度の規模の住宅では防災備蓄倉庫をつくっていました。当然、非常用発電なども規模に応じて用意はしていたのです。
三井不動産レジデンシャル 山田貴夫氏

三井不動産レジデンシャル
都市開発事業部都市開発一部長
兼 商品企画室長
山田貴夫氏

が、正直いって体系立ててつくっているというよりも、その都度担当者が物件ごとに必要性を判断していたわけです。そこで今回の大震災を機に、本当に防災備蓄倉庫へ置いているものが、地震が起きたときに使われるか、使われないか、一から検証作業を行いました。
ひとつの例として、懐中電灯を挙げてみましょう。当然のように、防災備蓄倉庫の備品としてどこでも入っているのですが、仙台で停電が続いたとき、懐中電灯よりも、人が集まってきたときはみんなの中心における灯りが圧倒的に重宝されるんだということがわかりました。ひとりの手元だけが明るくてもしょうがないのです。だから、備蓄倉庫には懐中電灯だけではなくて、ランタンもあったほうがいいと。
また、段差ができたとき、土嚢が役立った。じゃあ、備蓄倉庫に土嚢を入れたらどうかとなりましたが、現実的に土嚢をたくさん入れておくことは難しい。いろいろ調べていくと、水をかけると膨らむ土嚢があるとわかりました。そういった形で、今回のことを教訓として、抜本的に見直しを図ったわけです。
また、残念ながら首都圏でも液状化が起きました。われわれは今後の対策をどう打ち立てていくかをいろいろ議論してまとめました。三菱地所レジデンスは8月30日にリリースを早く出されたので、われわれは遅ればせながらですが、かなり詳細に体系立てて対策を打つことができたと思っています。
三井不動産レジデンシャル 山田貴夫氏

三井不動産レジデンシャル
都市開発事業部都市開発一部長
兼 商品企画室長
山田貴夫氏

具体的には、大きく3つに分けて考えました。まず、災害が起きたとき、いかに居住者の生命や財産を守るか。次に、水もない、電気もないといったライフラインが断絶した段階で、居住後のライフラインをどう確保するか。
そして、ある程度最低限の暮らしができるようになると、「共助」つまり皆さんで助けあいながら生きていく、暮らしていくための、各居住者の共助活動を円滑にすることを考えました。地震発生時、発生後のライフライン、共助活動と三段階に分類して対策を整理したのです。