ショースター蘭寿とむ
“蘭寿とむ”を語る上で忘れてはならないのが、ダンス。踊れる相手役、蘭乃はなさんとのデュエットダンスのレベルの高さ、リフトの美しさは格別でした。また蘭寿さんの掛け声で始まる群舞はどれも、ダンサー全員の気持ちが固くシンクロし、高揚感あふれるものでした。スーツ姿で踊れば、宝塚歌劇団史上に残る名ダンサー、大浦みずきさんを彷彿させるテクニックとセンスの良さ。最高級のダンサーであり、数々の名シーンを私たちの記憶に残しました。
(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ
外部での活躍
宝塚歌劇団外部でも活躍しました。カメラ目線のウインクが話題になった2003年「エンタの神様」(日本テレビ)でのモーニング娘。とのコラボ。一流のバレエダンサーと共演した、服部有吉2005 Presents『R・Hatter《アール・ハッター》』。
「SMAP×SMAP」(フジテレビ)への出演は多く、2007年には、SMAPの皆さんと宝塚のレビューを。今年1月には「スマ進ハイスクール」に、柚希礼音さん(星組トップ)、凰稀かなめさん(宙組トップ)と共に講師として出演しました。
また、宝塚の、とりわけ蘭寿とむさんの大大大ファンの女優・北川景子さんと「宝塚歌劇100年の愛」(TBS)や「SMAP×SMAP」のBISTRO SMAPにも出演しました。
故・春日野八千代さんが「宝塚の舞台人に必要なのは品格」とおっしゃいましたが、どんな役を演じても蘭寿さんには品格がありました。だから、官能的な振りも、歯の浮くような台詞も、熱いラブシーンも、決して粗野には見えず、爽やかで満開の笑顔と共に、魅力的で洗練されていたのでしょう。
(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ
客席から見る舞台は感動的で美しいです。そして舞台から見る客席の光景も、とても感動的なものです。観客の笑顔、息遣い、拍手、ペンライトの灯……。その美しさは「このために歩んできた」と思える、何にも代え難いものです。
蘭寿さんはその美しさを愛おしんでいるかのように、観客や仲間と寄り添い、包み、動かしました。
蘭のように華やかに気高く咲いたトップスター、蘭寿とむ。
数々の名シーンと共に、無限の愛を忘れません。
まゆさん、ありがとう。
お疲れ様でした。
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宝塚歌劇団 トップスターの変遷
*)宝塚歌劇団・小池修一郎の脚本・演出により、世界で初めて舞台化された『オーシャンズ11』。2011年に星組(柚希礼音主演)が初演し、2013年に花組(蘭寿とむ主演)が再演しました。そして2014年6月、宝塚歌劇団を飛び出し、香取慎吾さん主演にて上演されます。
『オーシャンズ11』公式サイト