宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

花組トップスター・蘭寿とむ―退団(2ページ目)

2014年5月11日、花組トップスター・蘭寿とむさんが、ミュージカル『ラスト・タイクーン -ハリウッドの帝王、不滅の愛-』、メガステージ『TAKARAZUKA ∞ 夢眩』の千秋楽(東京宝塚劇場)にて宝塚歌劇団を退団しました。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド


花組トップ時代
2011年『ファントム』ファントム *トップお披露目
2011年『小さな花がひらいた』茂次
2012年『復活 -恋が終わり、愛が残った-』ネフリュードフ
2012年『長い春の果てに』ステファン
2012年『サン=テグジュペリ』サン=テックス
2012年『Streak of Light -一筋の光…-』
2013年『ベルサイユのばら-オスカルとアンドレ編-』アンドレ *特別出演
2013年『オーシャンズ11』ダニー・オーシャン
2013年『戦国BASARA』真田幸村
2013年『愛と革命の詩-アンドレア・シェニエ-』アンドレア・シェニエ
2014年『ラスト・タイクーン ―ハリウッドの帝王、不滅の愛― 』モンロー・スター


蘭寿とむ 若手時代

『ファントム』

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

1994年、蘭寿とむさんは宝塚音楽学校に82期生として入学しました。宝塚歌劇団生徒(タカラジェンヌ)になるための養成学校、宝塚音楽学校の高倍率は広く知られていますが、この年は1930名が受験し、倍率は過去最高の48.2倍。その中で首席で入学したのが蘭寿さんでした。
宝塚音楽学校在籍中には何度も試験があり、入学時と順位が変わるのが常ですが、蘭寿さんは1番をキープし続け、宝塚歌劇団入団時も首席。首席の座を誰にも譲らなかったことは語り草となっています。

三拍子揃った実力。長身で華やかで眉目秀麗な男役。スタート時点からスターの片鱗を見せていた蘭寿とむさんは、初舞台後、花組に配属されます。

新人公演初主演は研6、『ミケランジェロ』のミケランジェロ。翌2002年『琥珀色の雨にぬれて』のクロード、『エリザベート』のトートと大役を演じ、新人とは思えぬ存在感をアピール。全国ツアー公演での『琥珀色の雨にぬれて』『Cocktail』、『ジャワの踊り子』では、2番手のポジションを堂々と努めました。

『“R”ising!!』

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

“かっこいい蘭寿とむ”をいい意味で裏切ってくれたのが、バウホール公演主演『くらわんか』の八五郎。長台詞も酔っぱらった演技も軽快な関西弁でテンポよくこなし、愛嬌のある憎めない船頭の八五郎を熱演しました。

彩吹真央さんとW主演した『月の燈影』次郎吉、花組トップになってからの『小さな花がひらいた』茂次など、日本物も高評。立ち姿が美しく、青天や着流しも似合いました。

八五郎ばりの絶妙なコメディーセンスは、後の『ERNEST in Love』のアルジャノン、『コパカバーナ』のサム、『雨に唄えば』のコズモ・ブラウンなどへ続きます。どれもがほんわかと温かい……。こうした明るいミュージカルは、華やかな蘭寿さんにぴったりでした。

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