蘭寿とむ 宙組時代

2006年、宙組に組替え。

『逆転裁判』

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

“蘭寿とむ”の、そして宝塚歌劇の新境地を開いた作品が『逆転裁判』のフェニックス・ライト。決め台詞も決めポーズも流行りましたね。カプコンのゲームと宝塚の初コラボとなったこの作品は、千秋楽に『逆転裁判2』の上演が発表されるという大ヒット!正義感溢れ、凛々しく爽やかなニックは当たり役となりました。

また『バレンシアの熱い花』のラモン、『カサブランカ』のヴィクター・ラズロ、『TRAFALGAR』のナポレオン・ボナパルト、『誰がために鐘は鳴る』のアグスティンなど、男らしい大人の役が多く、2番手として、大和悠河さん、大空祐飛さんといったトップスターを支え活躍します。


蘭寿とむ 花組トップスターに

思えば2番手時代の長かった蘭寿とむさん。古巣、花組に戻り、ファンの皆さんも待望のトップスター就任は2011年。相手役は蘭乃はなさんでした。

トップお披露目公演は大作の『ファントム』。クリスティーヌを優しく守り強く愛する繊細な怪人・ファントムを熱演。
同期で、下級生の頃は同じ花組で切磋琢磨した壮 一帆さん演じるキャリエールが父親と知る銀橋のシーンに、観客の涙は止まりませんでした。

『復活 -恋が終わり、愛が残った-』では、愛した人を愛でもって救おうとするネフリュードフの一途な心情や、男の友情を、丁寧に表現しました。
『サン=テグジュペリ』では、星の王子様のようにピュアな心でまっすぐに生きたサン=テックスを好演。

『オーシャンズ11』

(C)宝塚歌劇団 (C)宝塚クリエイティブアーツ

上演が発表された時点で「はまり役!」と思えたのが『オーシャンズ11』*)のダニー・オーシャン。「大人」「色気」「スーツ物」……。蘭寿とむを形容するメタタグがすべて揃っているこの役で、男役の真骨頂を発揮しました。
芝居にしろダンスナンバーにしろ、蘭寿さんがセンターに立つと、皆が光る……。周りに輝かせてもらうトップスターじゃない……。周りを輝かせるトップスターだと改めて認識でした作品でした。

『逆転裁判』の大ヒットがあったからこその上演だったのでしょう。同じくカプコンとのコラボ2作目『戦国BASARA』も蘭寿さんの主演となり、豪快な真田幸村を熱演。ゲームファンまでも楽しませました。

ブロンドのロングヘアーのコスチュームプレイは『愛と革命の詩-アンドレア・シェニエ-』。ダニー・オーシャンのようなワルも似合えば、アンドレア・シェニエのような誠実で高潔な役も似合うのは、蘭寿さんの人格ゆえでしょうか。

最後の男役は、『ラスト・タイクーン ―ハリウッドの帝王、不滅の愛― 』のモンロー・スター。映画作りに人生を賭けるモンロー・スターと、宝塚を駆けた“蘭寿とむ”の生き様がリンクし、まろやかに円熟した男役の集大成を見せました。
最後のショー『TAKARAZUKA ∞ 夢眩』のフィナーレ、大階段での黒燕尾。三角形の頂点に立つ“蘭寿とむ”の品格と美は絶品でした。