宝塚ファン/宝塚歌劇入門編

新人公演 Patr3 新人公演の衣装 その1

新人公演での苦労……これは役作りだけではありません。舞台に立つために必要不可欠な衣装、これに大きな落とし穴が。

桜木 星子

桜木 星子

宝塚ファン ガイド

宝塚音楽学校を経て宝塚歌劇団に入団~退団。100年近くの間、多くの大衆に愛されてきた宝塚歌劇の魅力、カッコよくて可愛くて元気なタカラジェンヌたちの素晴らしさを、All About立ち上げ時(2001年2月)よりお話しています。

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【新人公演Part1】ででもお話しましたが、本公演と新人公演、違うのは出演者と演出家だけ。セットも小道具も衣装もすべて同じ。で、今回はその衣装のお話です。

本公演と全く同じデザインの衣装を作り、それを新公出演者は着るの? いえいえ、そんな不経済な。新公はたった1日だけ。そのために100着以上もある衣装を、新しく作るわけにはいきません。つまり、本公演で上級生が着ている衣装を、そのままお借りするわけです。

ここで一番の問題は――サイズ。本公演の衣装は、その人にぴったりのサイズで出来上がっています。それを新公出演者は着なくてはいけない。サイズ、合うの? 下級生の方が、ぽっちゃりしている感じだし、本役さんとの身長の差だってあるでしょ? しかも、息も止めて立っているわけではなく、踊ったり走ったりするわけでしょ?

そうなんです。“ぴったり”or“ほぼぴったり”でサイズが合えばシアワセです。実は以外にもこのケースが多いです。ところが、どーにもこーにもサイズが合わない……入らないとかブカブカとか、丈が長いとか短いとか……の場合は直すしかありません。

これを“お直し”と言います。どこをどうお直しするかは、衣装合わせの時に衣装部さんに決めてもらいます。新公で自分が着る衣装すべてを本役さんにお借りし、試着するのが衣装合わせということです。

お直ししなくてはならない場合、誰が直すか。もちろん衣装部さんです。これがとても大変。
衣装を使う舞台稽古から本番終了までの流れはこんな感じになります。
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