住む場所によって自分が変わる
私はこれまで十数回、引っ越しを経験しました。門前の小僧よろしく、住む場所によって自分のまわりの環境が異なり、そのつど新しい暮らしが始まることを実感しています。たとえば、下町の本所吾妻橋に住んでいたときには、浅草のお富士さんや朝顔市やほうずき市にでかけ、江戸時代から続く季節の行事を重んじた生活文化を学びました。おかげで暮らしに変化をつける知恵がつき、家事が楽しくなりました。
また勝どきに暮らしているときは、銀座の歌舞伎や映画、演劇に親しむようになりました。ファッションにはうとかった私ですが、青山に住み、毎日イッセイミヤケやコム・デ・ギャルソンのショウウインドウの前を通るようになって、自然にファッションに興味を持つようになりました。
最先端の開発の進む六本木1丁目や汐留に住んでいたときは、様々なイベントや講演会、セミナーへの参加で、ビジネスにおける最新の知識・情報を入手する機会が飛躍的に増え、ビジネスマンとしての成長におおいに役立ちました。そこで知り合った人たちとの交流は今でも私の財産となっています。
なりたい自分になれる街に住む
こうして自分の住まい遍歴を整理していくと、文化・芸術の造詣を深めたければ銀座や浅草、きれいな自分を目指すなら青山、第一線のビジネスマンをめざすなら六本木・汐留となりたい自分になれる街が見えてきます。ここにあげた街はいずれも文化・歴史やビジネスの中心地で様々な人や情報が集まってくる街である半面、家賃・住宅価格が高いというところが悩ましい点です。でも何としてでも住もうと考え、熱心に探してみると案外、シェアハウスや古いアパート、築25年超の中古マンションなど、手の届く住まいはあるものです。礼金ゼロという賃貸物件も見られます。
特に30、40代の方々は、自分を変え成長させるための有効な手段として、思い切って住まいに重点投資することをお勧めします。
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