貧乏ゆすりや爪を噛む癖が止められない…「固着反応」とは

貧乏ゆすりを我慢する足のイメージ

「もう絶対に貧乏ゆすりはしない!」と決意しても、無意識のうちにしてしまうのが「癖」。上手な止め方はあるのでしょうか


人はフラストレーションが溜まったとき、とりあえずその気持ちを落ち着かせようと、無意識のうちに「意味のないこと」をしてしまうものです。

たとえば、今日中に終わらせなければいけない仕事があるのに、なかなか気が乗らずに捌けない……。そんな葛藤を感じたとき、貧乏ゆすりをしたり、爪を噛んでしまったり、枝毛探しやニキビ潰しに熱中してしまったり……。このように無意味な行動で時間を潰してしまって、自己嫌悪に陥ってしまった経験もあるのではないでしょうか。

「こうしたらいいのにできない」といったフラストレーションに陥ったとき、その気持ちを落ち着かせるために、役に立たない紋切り型の反応を繰り返してしまうことを「固着反応」と言います。その行動は、人によってさまざま。爪を噛んだり、貧乏ゆすりをしたり、髪の毛を指で回したり、ニキビを潰したり、指でテーブルを叩いたり、ぐるぐる歩き回ったり……、こんな行動の一つや二つ、誰にでも心当たりがあるのではないでしょうか?
 

貧乏ゆすりなどはなぜ悪い? ストレス解消にはなるが適切な対処を

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隣席の人の貧乏ゆすりは、結構迷惑なもの

固着反応は、自然なストレス解消法の一つです。困るのは、その行為による「影響」の方でしょう。

無意味に時間を過ごしてしまって、やるべきことが進まなければ、後で自分が後悔することになります。貧乏ゆすりやテーブルをコツコツ叩く、歩きまわるなどの行動などは、見た目にも格好のよいものではありませんし、職場や公共の場所では周りの人にも迷惑をかけてしまいます。爪を噛んだりニキビ潰しに熱中してしまうと、爪が削れて不格好になったり、ニキビ痕が残ったりしてしまいます。

このように、感情に任せて固着反応を繰り返していると、「大人としてはちょっと……」と、眉をひそめられてしまう結果となることが少なくありません。フラストレーションは、誰もが感じるもの。だからこそその場の感情だけに流されず、スマートに対処していくことを目指したいものです。上手な止め方としておすすめしたい3つの方法を解説します。
 

癖の止め方1 . その反応を始めたときに「気づく」

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「あ、固着反応を始めてる!」とまずは気づくことが大事

固着反応は「絶対やらないぞ!」と決意していても、無意識のうちに始めてしまうもの。しかし、やったときに「あ、いつものヤツが始まったな」と気づくことならできます。

自分自身がとっさにとっている反応や行動様式を認識することを「自己覚知」と言います。この自己覚知は、自分自身の行動を客観的に捉え、その行動を修正するための第一歩となる気づきです。

自分の反応を客観的に把握できれば、問題解決の大部分が進んでいると言っても過言ではありません。まずは、貧乏ゆすりや爪噛みなど、自分自身のフラストレーション解消のパターンとしてどのような行動が出るのかを把握し、それがどんなシーンで起こるのか、例えば焦っているときなのか、苦手な人に会ったときなのかを分析してみましょう。
 

癖の止め方2. フラストレーションを「外在化」させる

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爪を短く切っても、気がつけば噛んでしまうやっかいな固着反応

やっかいな癖があると、「止められない私はダメだ」と自責の念も感じやすいものです。そのため、やってしまった自分を責め、その行為を強く禁じる気持ちになります。しかし抑圧感によるストレスが、逆に衝動を引き起こしてしまい、爪噛みや貧乏ゆすりを誘発してしまう悪循環になることがあります。

このループから抜けるには、「フラストレーションが溜まっている」という問題を「自分自身」と切り離して捉えることが大切。これを問題の外在化と言います。つまり、「自分がダメだから、意志が弱いから、爪噛みをしたくなる」のではなく、自分自身とその問題とを分けて考え、「フラストレーションが溜まっているから、爪噛みをしたくなる」と捉えること。このように、問題を自分自身から切り離し、外在化して捉えれば、「問題に対処すること」をピンポイントで検討することができます。
 

癖の止め方3. 「第2の対策法」に置き換える

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フラストレーションの解消方法は、意外にたくさんあるもの

固着反応は、無意識に取ってしまう行為なので、「やめよう」と我慢しても、なかなかうまくいかないもの。我慢するより、その行為に気づいたときに、意識して「第2の対策法」に置き換えていくといいでしょう。つまり、「あ、爪噛みが始まった。フラストレーションが溜まってるんだな」と気づいたなら、そこで別の気分転換方法を取り入れることです。

特に効果的なのは、その場を離れることです。進まない仕事にイライラして貧乏ゆすりが始まったら、少しの間、席を立つといいでしょう。環境を変えるだけで、気分はかなり変わるものです。

その他にも、深呼吸をする、ストレッチをする、ハンドクリームを塗る、コーヒーを淹れるなど、気分を変える方法はたくさんあります。このように、第2の対処法に置き換えることをクセづけしていけば、固着反応のエスカレートを防ぐことができます。うまくいけば、固着反応を始める前に「やりたくなる気持ち」に気づき、第2の対策法に置き換えられるようになるでしょう。

――ちなみに、かくいう私もイライラが始まると爪を噛んでしまう癖があり、長年「どうしたらやめられるの?」と、淡く悩んできました。そこで、この3つのステップ「1. 自己覚知」→「2. 問題の外在化」→「3. 第2の対処法への置き換え」を意識してみたところ、爪噛みに走る機会は減り、ガタガタだった爪の形も整ってきました。

固着反応のような「恥ずかしい癖」は、誰でも一つや二つ持っているもの。とはいえ、スマートな大人になりたいなら、少しずつでも修正していきたいものです。今回紹介した3つのヒントは、今日から誰でも実践できるちょっとした心がけです。ぜひ意識して取り入れてみてはいかがでしょうか?
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