開業前の準備費用は「経費」として認められる?
「開業前の準備費用は必要経費として認められるのでしょうか?」個人事業主として開業予定の方から受けることが多い質問です。開業準備期間に支出する経費は少なくないため、当然疑問に思いますよね。何をどこまで経費にできるのか。このモヤモヤをスッキリさせるため、やさしく解説します。
開業準備費用の一覧

開業前の準備費用も開業費として会計処理できる
- 名刺や印鑑などの購入費
- 打合せのための交通費
- 打合せの飲食費
- あいさつのための手土産代
- 文房具やソフトウェアの購入費
- チラシ印刷代、Webサイト作成費
- 書籍などの資料代
- オフィスの契約関連費用
開業前の準備費用は「開業費」で会計処理するのが基本
これらの費用については、通常の会計処理で必要経費として計上するのではなく、「開業費」という勘定科目で別に区分して会計処理するのが基本です。「開業費」という名称ですが、費用項目ではなく、繰延資産という資産項目になります。繰延資産とは、お金を出したことに対する効果が、その年だけではなく将来にも及ぶものを指します。
そのため、繰延資産に該当するものは、その年に全額を必要経費として計上するのではなく、その効果が及ぶ期間(償却期間)に分けて計上してます。
開業費の償却期間と償却方法
開業費の場合、償却期間は5年間です。償却方法としては5年間(60ヶ月)で均等に償却していくか、任意償却で好きなときに好きなペースで償却していくかを選択することができます。
開業費として認められる期間は?
- そもそも「開業日」とは?
開業日とは、「個人事業主として業務を開始した日」です。具体的には、「個人事業の開業・廃業等届出書」(一般的には開業届という)に記載した「開業日」です。
- 開業日から遡って、いつの分まで認められる?
開業費として認められないものは?
注意したいのは、全ての経費が開業費に含められるわけではないという点です。以下については開業費として認められません。ご注意ください。- 固定資産(1組10万円以上のもの・パソコンなど)
- 敷金などの将来的に返却されるもの
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