家事がはかどり、子育てに便利です
とりこんだ洗濯物をたたまずに、リビングや寝室の床に置きっ放しのご家庭を見かけることがあります。面倒くさいから、というのが理由のようですが実はたたむのに適したスペースがない、というのが真の理由ではなかろうか、と私はにらんでいます。和室があれば、洗濯物をたたみ家族それぞれに分類する、という作業がスムーズにできます。アイロンがけもしやすくなります。また、着物や帯がたたみやすい和室は、和服を着るひとには、必須でしょう。
和室が1室あると、子育てに便利です。乳幼児期の子供のおしめ替えや着かえがしやすいのです。キッチンで料理をしたり、リビング・ダイニングで片づけしていても、母親の目が届くのでお昼寝させたり、遊ばせたりするのに安全、安心です。
今やジャパネスクはデザインの最先端
インテリア性の高い琉球畳
ところが、最近の欧米のインテリア雑誌やミラノサローネのような国際家具見本市では畳やちょうちん、南部鉄瓶、盆栽などの和風のインテリアや工芸品をあつかった空間構成が見られ、人気を得ています。
私も、パリの中古アパルトマンを見学した際、リビングの一部に畳をしき、和紙のランプを置いた部屋を数件見かけました。日本ですたれた和風のインテリアが欧米で人気を得て息を吹き返し、まわりまわって日本へ逆上陸する。そんな流れができつつあるように思います。
これからは、和室のある間取りがインテリア性も高い、と評価されるかもしれません。
さて、和室のある間取りのチェックポイントを最後にお伝えしましょう。
●和室はリビングとふすまをへだててつながっている
ふすまをあければ広々としたリビングの延長としての空間が得られる。ふすまを閉めれば落ち着いた個室として活用できる、という自在さが大切です。
●6畳程度の広さがある
ある程度の広さがないと、色々な用途に使ったり、くつろいだりすることができません。4.5畳程度ではやや狭く、最低6畳は欲しいところです。
●琉球たたみのように縁がない
和室をモダンに見せるには、琉球畳がベースになります。縁がなく普通の畳の半分のサイズなので、リビングがフローリングでも絨毯でも、違和感なくまとまります。
●床の間や掛け軸は不要
現代のデザインセンスにあった和室ですから、床の間や掛け軸など日本古来の設えは、料亭風にやや大げさになってしまい、インテリア的になじみません。