他人や環境への不満ばかりが募る「くれない族」とは
口を開けば「○○してくれない」ばかり……そんな言葉が増えていませんか?
「夫が話を聞いてくれない」「彼氏がどこにも連れて行ってくれない」「子どもが親孝行をしてくれない」「誰も私のことを評価してくれない」など、他人や環境に対して「〇〇してくれない」という思いが多い人は、俗に「くれない族」などと呼ばれています。
<目次>
「くれない」という不満が、怒り・恨みに発展することも……
「どこにも連れて行ってくれない」とつぶやいても、寂しさが募るだけ
いくら近しい間柄でも、相手にも事情や都合があり、常に期待に応えてくれるとは限りません。たしかに、パートナーが仕事などでいつも忙しいと、「彼はどこにも連れて行ってくれない」という不満が生じることもあるでしょう。しかし、思いをそのままぶつけると、彼にも「事情をまったくわかってくれない」という思いが生じ、感情のぶつかり合いになってしまいます。すると、互いの気持ちはすれ違う一方です。
では、こうならないためには、どうしたらよいのでしょうか?
「くれない族」の心理とは……親しい相手に頼りすぎる気持ち
「誘われ待ち」をやめて、自分から提案してみては?
たとえばデートの場合、恋人からの誘いを「待つ」だけではなく、自分からも二人でできそうなことを提案してみる。「今開催されてる絵画展を見に行こうと思うんだけど、一緒に行かない?」「いい季節だし、山登りに行きたいと思うんだけど、週末にどう?」――こんな風に二人でやってみたいことを提案し、相手が選べるようにしてみてはどうでしょう。
もちろん、相手にも都合や好みがあります。OKの返事が得られなかった場合には「一人で行ってこよう」「友達にも声をかけてみよう」というように、思考を切り替えてみましょう。このように、パートナーに頼らず一人で行うことを増やしたり、パートナー以外の友人との交流も大切にすると、恋愛はもっと自由で楽なものになります。
いつでも一定の人を頼っていると、相手は負担に感じてしまうものです。これは、仕事や友人関係などのあらゆる人間関係でも同様です。
自分自身への不満が「くれない」のつぶやきに
「自分の時間の充実」を意識すれば、「くれない」のつぶやきも消えていく
たとえば、やりたいことが分からない、仕事がうまくいかない、能力に限界を感じる――このように自分への不満が増えていないでしょうか。人は自分への不満が募ると、「私がこういう状態なのは、夫が○○してくれないから。家族が○○してくれないから」というように誰かに責任を転嫁し、自我の安定を守ろうとすることがあります。これを心理学では「防衛機制」と呼んでいます。
私は人生の充実感は、「時間の充実」に比例すると考えます。自分の時間がもっと充実したものになれば、不満は減少します。私はそのための方法として、「アウトプット」「インプット」「パスタイム」の時間のバランスづくりが大事だと考えています。
「アウトプット」とは、仕事や家事、育児、ボランティアのように、自分の力を外に向けて発揮することです。「インプット」とは、勉強や体力づくりなどを重ねて自己形成をすることです。「パスタイム」とは、娯楽や骨休めで自分をいたわり、癒すことです。
たとえば、「外では仕事ばかり、家では寝るだけ。忙しく、むなしく毎日が過ぎていく」という人は、アウトプットとパスタイムに偏りすぎてインプットが不足しています。こうした人はインプット(勉強、体力作りなど)の時間を増やしていくといいでしょう。そのためには、仕事量を減らすことも必要になるかもしれません。このように工夫すると、「くれない」という思いも減っていくと思います。
ほかにも、たとえば「毎日テレビを見るばかりの生活で、飽き飽きしている」という方は、パスタイムに偏り、アウトプットやインプットが足りていないのかもしれません。ならば、アウトプットとインプットを取り入れてみてはどうでしょう? 仕事やボランティア、勉強を始めたり、ブログ執筆などのクリエイティブな活動を始めるのもいいかもしれません。このように自分の時間を変化させると、身近な人に「くれない」という思いを向けることもなくなり、自分自身が充実してくると思います。
「くれない族」の不満の背景には、親しい相手に頼りすぎる気持ちと自分への不満(≒自分の時間の充実不足)が関係している可能性があります。そこに気づかず不満ばかりをぶつけていると、信頼関係が壊れてしまうかもしれません。「くれない族」にならず、末永く良い関係を続けていくためにも、まずは時間の使い方からよりよく自分を変えていきませんか?
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