フランスのクリスマス……「ノエル」
ノエルはフランス語でクリスマス
ノエル(Noël / ノエル)はフランス語でクリスマスを意味する言葉です。 11月に入ると少しずつノエルに向けて街が活気付き、お店のウインドーや店頭、通りにクリスマス向けの飾りやイルミネーションがあふれ、クリスマス市 (Marché de Noël / マるシェ ドゥ ノエル)が登場します。
12月になると、家庭でもツリーを買い、室内の飾りつけを始めて、24、25日に向けての段取りを細々決めていきます。
ノエルの飾り
ノエルの飾り (décorations de Noël /デコらシオン ドゥ ノエル)に欠かせないのはツリー (sapin de Noël / サパン ドゥ ノエル)です。最近は、限りなく本物に近いフェイクのもみの木も出てきましたが、やはり生木が好まれています。余談ですが、近年、使用後のもみの木をリサイクルに回せるようになりました。
12月になると、花屋さんで一斉に売り出されるツリー
ツリーに飾るボール
ノエルの過ごし方
ノエルは、24日の夜と25日に祝い、家族とゆっくり過ごします。ちなみに、25日は祝日です。複合家族が増えているフランスでは、24日の晩餐は父方で、25日のお昼は母方で過ごすなど、決まりごとがあることもあります。普段あまり教会に行かない人でも、ノエルのミサは欠かさないという人もいます。
かつては、夜中の12時にミサ (La messe de minuit / ラ メス ドゥ ミニュイ)を行っていましたが、現代ではミサの時間はどんどん早まり、夕方6時ごろから行われることもあるようです。
プレゼント
フランスでは、平常は贈り物をする習慣がありませんが、このときばかりは山のようにクリスマス・プレゼント (cadeaux de Noël / カドー ドゥ ノエル、複数)を用意します。小学校の低学年までは、サンタクロース (le père Noël / ル ペーる ノエル) の存在を信じている子どもも多く、その夢を壊さないよう、大人が必死で隠れた演出をします。
用意したおやつにサンタさんがお礼のメッセージを残したように演出
ノエルの食事
ノエルは、フランス人にとって、家族が集まる一年のうちで一番大事な年中行事です。メインの料理に七面鳥 (dinde / ダンドゥ)を使い、最後を飾るデザートに、bûche de Noël (ビュッシュ ドゥ ノエル)とよばれる切り株の形をしたケーキが、伝統的なノエルの特別料理、定番料理です。
ノエルの食事 (le repas de Noël / ル るパ ドゥ ノエル) というと、
シャンパン (champagne / シャンパーニュ)、魚介類 (furuits de mer /フりュイ ドゥ メーる )、
フォア・グラ (foie gras /フォア グら)なども登場します。
魚介類のプレート
ノエルの挨拶
ノエルに交わされる挨拶の言葉は、Joyeux Noël (ジョワイユー ノエル/メリークリスマス)です。近年では、インターネットや携帯電話の普及で24、25日にSMSが飛び交うことになりました。遠く離れた家族や友人同士で、メッセージを送りあいます。
宗教上の理由などで、「メリー・クリスマス」と言っていいのか悪いのか、判断がつきにくい場合があります。そんな時に便利なのが、「楽しいパーティーを!」(Joyeuses fêtes /ジョワイユーズ フェットゥ)です。
「年末年始を楽しくお過ごしください」という気持ちを伝えることができます。
皆さんも、どうぞ楽しいノエルをお過ごしください。
※発音表記は、区別をするために、R の音はひらがなで、L の音はカタカナで表示しています。
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