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省エネ効果が高いのは、パッシブデザイン型マンション(2ページ目)

熱中症患者が多数出ているせいで、節電の呼びかけがなくなってしまうほど、暑い日が続いています。この時期、ぐっと身近に感じるのが省エネです。マンションの省エネ、どう考えるべきでしょうか。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

日本の省エネシステムは実はエネルギーをたくさん消費する?

そして、極めつけは省エネシステム。これはもう、世界中で日本の新築マンションだけが、特異なスタイルで頑張っている領域ではないでしょうか。これは先日、週刊住宅新聞社が主催する、2012年度のマンション・オブ・ザ・イヤーの審査会で多数の新築マンションのデータを見ての私の感想です。

東日本大震災で電力不足を経験した日本では、省エネシステムが注目され、太陽光発電、蓄電池、消費電力が分かるHEMSなどの設備機器や魔法瓶効果のある浴槽、断熱効果の高いサッシなどが新たに搭載されるようになりました。

これは、先に述べた浴室乾燥機などの最新設備を駆使して快適な生活を送るためには多くのエネルギーを使うことになる。だから、少しでも消費量を抑えるべく、これまた稼働するには相当のエネルギーが必要な省エネ設備を多数搭載しなくてはならない。という考えをもとにした超ポジティヴ型省エネシステムといえるでしょう。日本の省エネは、実は多くのエネルギー消費を是としているのだと思います。

一方、欧米では、色々な設備機器を駆使しての省エネはほとんど見かけません。どちらかというと、先の英国のようにディスポーザーは使わない、フランスのように昔から廊下や階段の電気をつけたら、しばらくすると自然に消えてしまう、両国ともにお湯を使い過ぎるとすぐに出なくなる等々、そもそもエネルギー自体を使わないことを前提としたパッシブ型の省エネです。

ちなみにフランスでは、ひと月あたりの光熱費がいくらかかるかを住宅の賃貸、売買時に必ず事前説明するほどで、エネルギー消費が少なくてすむ住宅が評価されています。


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