日本の居住水準は世界トップクラス

海外の住宅事情

海外の住宅は、築100年はゆうに経っているマンションが主。

私の生涯のテーマは「世界のどこに住むのが幸せか?」という視点で、世界の主要都市の住宅を見てまわり、できれば短期間でも実際に住んで暮らしてみて、比較検討することです。

これまでにロンドン、パリ、ベルリン、ウィーン、ミラノ、バルセロナ、ホノルルなどで普通の人が住む住宅(主に集合住宅)を見て、一部の都市では住む経験もしました。そうしたことを経て思うのは、かつては、欠陥住宅が社会問題となり、「ウサギ小屋」とも言われた日本の住宅水準は、いまや世界トップレベルに達しているということです。

60平米台の3LDKなど、日本のマンションのコンパクト化はいくぶん進むものの、米国を除くと広さの点においては、他の先進国と比較しても決してひけをとってはいません。また、2001年に性能評価制度が導入されて以降、耐震性、断熱性、遮音性、メンテナンスのしやすさ、バリアフリーなどの構造・性能も高い水準にあります。

そしてなんといっても、ディスポーザー、浴室乾燥機、床暖房などの設備の充実度、細かい使い勝手を考慮したキッチンや洗面室の収納などは、世界一ではないでしょうか。なぜ、たった40年で出遅れていた日本の住がトップクラスに躍り出ることができたのでしょうか。

パリやロンドンなどに住む普通の人々の住まいは、築100年はゆうに経っている集合住宅が主となります。新築マンションはほとんど見当たりません。このように古い建物を現代人の暮らしに合うようにリフォームしながら使っているのですから、日本のように毎年新築マンションを10万戸も建てて最新設備を競うという市場がない、ということが背景にあります、

また、ガーデニング好きが多い英国では、野菜くずなどの生ごみはコンポストで有機肥料にするので、「ディスポーザーは、この国ではたぶん永久に普及しないでしょう」とはバーミンガムの近くに住む英国人の弁。また、新しいものより古いものに価値を見出す欧州と新しいものはなんでも積極的に取り入れる日本という文化の違いも背景にあると思います。


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