フィトセラピー(植物療法)とは何か
フィトセラピー(植物療法)とは、簡単に言うと植物や植物の一部、葉、根、実あるいは種子など、いろいろな部位の薬理効果を使って体の不調を整えたり、自身の治癒力を上げていくというもの。ヨーロッパでは、医療現場でも使われており、心身を癒す療法の総称であり、飲む、食べる、つける、嗅ぐ、マッサージする、など様々な用法で取り入れることができます。古くはギリシャ時代からエジプトの王朝期までさかのぼります。フィトセラピーを体系化したのはフランス。家庭の常備薬として、今も日常的に活用されています。日本でも長野の方で、朝露を飲む習慣があったことから、日本独自の植物療法も存在していたと考えられています。日常的に使える方法としては、植物薬(フィトサプリ)、ハーブティー、入浴剤、湿布、アロマエッセンスなど様々です。香りの有効成分を使った芳香療法「アロマセラピー」も植物療法の一種。メンタルに効かせるものとしては、バッチ博士が体系化した「フラワーレメディ」などもあります。
フィトセラピーが効果的な理由
日本では、体調不良を訴えるとまず医者に行って薬を処方してもらうのが一般的です。薬についてですが、かなり強力な力を持っているので、一部の不調を治すには即効性があり、適していますが、必ず副作用が伴うことを忘れてはいけません。一時的に症状を抑えることは叶ったしても、根本の解決にはいたらないこともあり、安易に薬を使うべきではないというのがフィトセラピーの考え方です。特に女性は、女性特有の悩みが多く存在し、そのたびに薬を服用していたのでは、薬漬けになってしまう危険性もあります。薬を飲めば、それだけ体には負担をかけていることになり、最悪のケースで言うと、ガンリスクを高める場合もあるのです。最近は、もう薬だけに頼るのではなく、生活全体を見直すことが結局は本当の健康につながるのだということに多くの人が気づき始めました。副作用の少ない漢方を利用したり、ランやヨガなど、自分にあった運動を取り入れる人もかなり増えました。ストレスフルな現代社会では、自己メンテナンスが不可欠です。いったん体調を崩すと、その健康のありがたみが身にしみますよね。
本当は、その前に「予防」として体調を管理しなければならないのですが、残念なことに長年対症療法をしてきた日本には「予防する」という考え方が、まだまだ浸透していません。なのに、寿命がどんどん伸びてきている今、いかに余生を健康的に過ごすかということは、重要な課題となっているのです。
フィトセラピーのメリット&取り入れ方
薬を使わないで、体調を管理するために植物療法は非常に適しています。なんとなく響きで「難しそう……」と捉える方もいらっしゃいますが、全くそんなことはありません。自分のライフスタイルに合わせて、心地よい形で取り入れることができるのも植物療法のひとつの魅力だからです。例えば、朝、森林の多い公園で散歩するのだって立派な植物療法です。私が小さい頃は、アロエの鉢が家の中に置いてあり、傷を作ると、母がアロエを折って液を傷口に塗ってくれていましたが、これも植物療法ですよね。日本では体系化されていないために、なかなかなじみのないことのように思えますが、実は日本人なりの植物療法は息づいています。植物療法の中で、よく使われるのは精油とハーブ。心身の調整をしてくれる、まさに植物のパワーが詰まっています。1本のエッセンシャルオイルがもたらす効果は絶大です。精油の配合されたスキンケアを使えば、皮膚から、鼻の粘膜から、肺からと3ルートから体に吸収され、体全体にめぐります。体を全体的に底上げし、そしてスッと体からも抜けていきます。ひとつのところだけに効果を発揮するのではなくて、体全体にめぐるのも植物の素晴らしいところ。
食事で摂っても、もちろんよいです! 例えば、体を温め、生体機能をコントロールするアダプトゲンハーブの王様である高麗人参は、よくみなさんも知っていらっしゃると思いますが、韓国料理のサムゲタンで摂ることができます。週に1度作ったり、食べに行くだけでも立派な植物療法。酵素という形で腸内環境を整えてもよいですよね。
植物のパワーを感じられる方法をここで見つけて、無理のない形で続けていく。そのうちに、自分の体調によって、今必要な植物は何か、それをどう取り入れるべきかがわかってきます。そうすれば、より日常に沿った形で植物療法を実践することができ、そのうち自分の体が少しずつ変わっていく喜びを実感できるに違いありません。女性特有の悩みには特に植物療法はおすすめです。
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