多く用いられるシステムバスの断熱性能は向上
毎日の暮らしの中で、省エネルギーやエコロジーに配慮することはとても大切なこと。新築やリフォームの際にも、できる限り、省エネルギー性能の高い設備機器や環境に配慮した素材などを取り入れたいものです。新築やリフォームで多く取りいれられるシステムバスは、本体そのものの断熱性能も高まってきています。特に床面では、断熱材を重ねたり、断熱防水パンを組み合わせ冷気を遮断するなど、より高い性能を施したものもありますし、断熱材で床、壁、天井を包み込むような仕様を選択することができる商品もみられます。
追い焚きを減らす保温性の高い浴槽+浴槽の蓋
浴槽断熱材と高断熱のふろふたによる断熱構造で、高い保温力を持つ。[魔法びん浴槽] TOTO
最近では、断熱性を高め、時間が経っても湯温が低下しにくい浴槽も一般的となってきました。浴槽を断熱材で覆い、断熱性能を持たせたもので、各メーカーそれぞれに工夫を施しています。お湯が冷めにくいので、入浴時間がバラバラな家庭でも追い焚き機能を使うことが少なくなり、経済的といわれ、多くのシステムバスに取り入れられています。
また、浴槽だけでなく、浴槽のふたも断熱性能を持たせたタイプもでていますし、システムバスだけでなく、単体浴槽にも断熱性能を高めたタイプもみられます。
くつろぎを実現しつつ水も無駄にしない浴槽の形状
最近の浴槽には、さまざまな形状のものが増えてきています。広がりを持たせるようなカーブを持つ浴槽、半身浴ができるようなベンチがあるもの、子供と一緒に入浴しやすいような形状のものなどもみられます。浴槽の大きさや形状は、家族構成や入浴スタイルに合わせて、選ぶことが大切ですが、たとえば、浴槽内にベンチやステップのあるような形状であれば、くつろぐことができると同時に、貯めるお湯の量が少なくてすみ、節水効果も期待できます。水量が少ない分、短時間でお湯が温まるので、ガス(電気)代も節約にもなるでしょう。
どんな浴槽を選ぶにしろ、ショールームで確認することはとても重要。実際に浴槽内に身を置いて、その形状や素材感をチェックすることが大切です。
節水機能が高まった水栓金具&シャワー水栓
省エネ法に対応する「節湯水栓」、節湯効果の高いシャワー。[エコフルスイッチ多機能シャワー ジュエラ] LIXIL
たとえば、水圧や水流が変化しても、急激に温度変化することがなく、設定したお湯の温度を保ち続けることができるサーモスタット混合水栓は、すばやく自動で調節可能なので、捨て水の量を最小限にすることができるでしょう。手元で簡単に湯水を出し止めできる手元止水機構のついたシャワーヘッドは、湯水の使用量が削減することが可能です。また、レバーハンドルが正面の位置で水のみが出る構造、もしくは使いやすい位置に水のみを出すことができるものは、水と湯をしっかりと使い分けができるので、無駄に給湯器を作動させずにすむでしょう。
その他、メーカーからは、独自の形状の水栓金具も提案され、たとえば、押すだけで湯水の出し止めができるプッシュタイプやタッチスイッチタイプは、手元で簡単に止水でき、こまめに操作ができるので、節水効果が期待できます。シャワーも、手元止水機構だけでなく、水流に工夫を施したり、空気を含ませるなどして、浴び心地の快適さを損なわず、節水・省エネ効果を実現するタイプが提案されています。
LED照明を取りいれて節電効果を
極小ダウンライトのあかりが落ち着きのある空間を演出。[Lクラス バスルーム ピンホールLED照明] パナソニック エコソリューションズ
メーカーや商品によって異なりますが、LEDを天井や壁に1灯設置するだけでなく、ダウンライトや天井に凹みを持たせて建築化照明として、空間に組み込んだり、壁面に光を当てるなどして演出性を高めたものもみられます。また、調光機能を持たせたタイプもあり、節電しつつ、シーンに合わせて雰囲気を変えることができるので、ゆったりと心地よく過ごすことができるでしょう。
掃除やお手入れが楽なことで省エネにも
手間をかけずに残り湯を洗濯に利用できる。 [ノコリーユECO] TOTO
また、専用の配管で浴槽と洗濯機を直結、ボタンひとつで浴槽から残り湯をくみ上げ再利用することができる機器やヒーターを使用せずにくもり止めが可能な鏡などのアイテムもみられます。
もちろん、これら以外にも、省エネルギー性能の高い給湯システム(給湯器)を選ぶことも重要なポイント。給湯システムのプランニングの際には、床暖房なども関わるケースもあるので、水まわりだけでなく、住まい全体をエネルギーとして、トータルに検討することが大切です。
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