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Stay hungry, Stay foolishの意味を解説!

”stay hungry, stay foolish”の一文は、スティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)がスタンフォード大学で行った卒業式辞でスピーチを締めくくる言葉として使われました。この意味とスピーチに込められたメッセージを解説します。

野村 尚義

執筆者:野村 尚義

プレゼンテーション・企画力ガイド

スティーブ・ジョブズが卒業式で残したスピーチの意味とは

Stay hungry, Stay foolish

Stay hungry, Stay foolish


"Stay hungry, stay foolish"

スティーブ・ジョブズはスタンフォード大学卒業式辞で述べた言葉です。ジョブズのプレゼンに注目している人であれば、ご存じの方も多いでしょう。

とても切れ味の良いフレーズ。スピーチを締めくくるにふさわしい響きがあります。一方で、hungryやfoolishが何を表すのか、はっきりしないともいえるのではないでしょうか。

あなたは、ここでいうhungryとfoolishにどんな意味があると思いますか?
 
<目次>
 

hungry(ハングリー)、foolish(フーリッシュ)の和訳

直訳で「飢えろ、バカでいろ」という意味でないのは、予想がつきます。少し意訳するならば、hungryとfoolishの言葉のイメージから、こんな日本語を当てはめることもできそうです。
hungry:渇望せよ
「現状に満足して歩みを止めるな。より先の未来を渇望し、追い求めよ」

foolish:常識に牙を抜かれるな
「インテリどもの言う常識に踊らされるな。それはあなたの牙を抜くための罠だ」

なんだか、ジョブズが言いそうな気がします。

ネット上のブログやコラムを見ていると、hungryとfoolishを合わせて「青いままでいろ」とか「若くいろ」と捉えている方も多いようです。ジョブズの常にチャレンジし続けた生き方ともマッチしていて、なるほどうなづけます。

しかし、私は少し違う解釈の仕方をしているのです。それについて、少しご紹介いたしましょう。
 

ジョブズが伝えたかったことの意味、自分・人・心が活きるスピーチ

たしかに、Stay hungry, Stay foolishにだけ注目するならば、上記のような解釈以外には思いつきません。しかし、ジョブズのスピーチは15分あったわけであり、その総括的なまとめがこの言葉に集約されていることを考えれば、スピーチ全体に目を向けた方がよさそうな気がします。

では、スピーチ全体で語られたこととは? 映像すべてをご覧いただきたいところですが、簡単なサマリーを以下にスライドまとめておきます。
 
スティーブジョブズ伝説のスピーチのまとめ

スティーブジョブズ伝説のスピーチのまとめ

この構造でわかるのは、stay hungry, stay foolishは3つのキーワードのまとめであることがわかります。

1."点と点はつながる"と信じて、今の点を選択せよ
2.愛と敗北こそが、人生を豊かにする
3.死を感じて、今日を生きよ
(ちなみに、3つのキーメッセージは野村の意訳です)
 

Stay hungry, Stay foolishの意味を解説

簡単に、3つのポイントについて、それぞれ解説します。

Point1:"点と点はつながる"と信じて、今の点を選択せよ

ここで語られたのは、ジョブズ自身の生い立ちの話。両親が強く願って入った大学ですら、自分はやめてしまったこと。そして、やめたからこそ、いまのマックの美しいフォントがあるという話。そこから、自分の行動に迷いがあっても、決断せよとジョブズは語ります。「今の決断というドット(点)は、将来のドット(点)と必ずつながる」と。

Point2:愛と敗北こそが、人生を豊かにする

ポイント2は、ジョブズがアップルを追われたときの話です。彼にとって非常にショックな出来事でしたが、それによって身軽さを取り戻したジョブズは、その後ピクサーを創業します。そして、そのピクサーで開発された映像技術は、ジョブズが復帰したのちのアップルにおける中核技術のひとつになっていると。ジョブズは語ります。「それは苦い薬でした。しかし、患者には必要だったのでしょう」

Point3:死を感じて、今日を生きよ

ジョブズがガン宣告を受けたときの思いと共に、死について語ります。「ほとんどの物事、外部からの期待、自分のプライド、屈辱や挫折に対する恐怖は、死を前にすると無力になる」。死を前にしたときに、後悔をするような生き方をするなと、彼は言いたいのでしょう。

この3つのメッセージを集約することで、Stay hungry, Stay foolishの本当の意味が見えてくるのではないでしょうか。私なりの解釈はこうです。
 
たしかに、迷いはある。失敗も怖い。周りの目も気になる。
それでも、そんなものに捉われず、自分の信じたことをやろうじゃないか。
少し短くすると、「恐れず、迷わず、捉われず、信じた道を行け」。
ジョブズの言葉として、私の解釈はいかがでしょうか?

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