IGF-1増やしに適切な気圧は「1.3」
IGF-1が増える理想的な気圧の数値はどのくらいなのか。私たちの研究の結果、1.3気圧くらいの高気圧で、IGF-1が増えることが判明しています。私たちは実験用マウスを1.3気圧の環境に毎日30分ずつ置き、1ヵ月後の脳の海馬(記憶を司る部分)のIGF-1濃度を測定しました。結果は高気圧の環境に置かなかったマウスに比べて、IGF-1の量が2倍に増えていたのです。
海馬付近のIGF-1が増えると学習能力が高まる傾向が強くなります。先の実験で1.3気圧の環境で飼育したマウスの学習能力を評価するために水迷路試験を行ったところ、高気圧の環境に置いたマウスは、置かなかったマウスに比べて明らかに記憶力が優れていました。
さらに、それぞれのマウスを等しくストレスがかかる環境に置いたところ、1.3気圧で飼育されたマウスの方が、胃潰瘍が小さく抑えられていたこともわかりました。
水深3mの素潜り、加圧トレーニングも効果的
約3m程度のスキンダイビングはIGF-1増やしに有効?
IGF-1を増やす理想的な気圧は前述のとおり、1.3気圧。ちなみに水深3メートル程度の気圧と同じなので、競泳用・飛び込み用などの特殊なプールで素潜りをする、あるいはスキンダイビングなどもIGF-1増やしには有効といえそうです。
とはいえ、もちろん日常的に素潜りやダイビングはできません。そこで目を向けてほしいのが、昨今よく聞くようになった「加圧トレーニング」です。加圧トレーニングとは、腕や脚のつけ根をベルトで締めて圧迫し、血流量を適切に制限した状態で行うトレーニング法のこと。適度に圧迫された血管が前ページで述べたプロスタグランジンを増やし、それが知覚神経を刺激してIGF-1を増やします。IGF-1には筋肉を増やす作用もあるので、加圧の結果、筋肉が増えるのです。
プールや海で水深3メートルあたりまで潜る、あるいは加圧トレーニング。いずれもそう頻繁にできることではありませんが、薄毛に悩む男性なら、知っておいて損はないでしょう。ちなみに、サッカーのベッカム選手が使っていた高気圧カプセルもIGF-1を増やして怪我の治りを早くすると考えられますので、育毛などにも効果が期待できそうです。
これまでに紹介してきたさまざまなIGF-1増やしの技術のひとつとして覚えていただき、チャンスがあれば、ぜひ挑戦してみてください。
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