センプリチェ・コースより

引き出し

引き出しの中にカトラリーがあります

コースが始まるにあたって面白いのは、テーブルの下に特別に造り付けられた「カトラリー専用引き出し」。最近は日本でもテーブルにカトラリー専用の引き出しを装備する店が増えてきましたが、とても効率的で最適化されたスタイルだと思います。また、テーブルの上にはお箸まで置いてあるので、とても気楽に食べられそうですね。

では、以下、昼の「センプリチェ・コース」(2835円)からの料理です。

・stuzzichino
stuzzichino

stuzzichino

stuzzichino(つき出し)は、「空豆と北海道のモッツァレラチーズ」(写真左)と「桜海老とマスの煎餅 新じゃが添え」(写真右)。新緑のような鮮やかさが輝く空豆と北海道のモッツァレラチーズの相性の良さと見た目の美しさ。そして新じゃがを添えた桜海老とマスの煎餅というユニークなアイデア。これら地の物と海の物による2種類のコンビネーションからは、シェフの季節感と素材力を大切にされるスタイルが表現されているよう。実に春らしい(料理の)始まりでした。

・antipasto
本日の旬の野菜サラダ

本日の旬の野菜サラダ

前菜はシェフの定番料理とも言える「本日の旬の野菜サラダ」。この日は20種類ほどの野菜・根菜が盛られていましたが、その日にどんな野菜が入荷するのか?は、シェフも当日の朝に野菜が送られてくるまで分からないとか。

ですので、朝、届いた野菜を見てから、その日の盛り付けやソースをインスピレーションで決められるわけです。この日は春ならではのホワイトアスパラとチーズのクリームを野菜に合わせた仕上がりに。野菜の上からはミモレットもかけられています。

そして野菜部分に関してですが、野菜の下部分には火入れされた温野菜、上には生野菜という構成で、地元を含めて近郊野菜だからこその新鮮さと高品質さが素晴らしい一皿になっています。

もちろん、美味しいだけではなく、野菜の中には私も見たことがないような珍しい野菜も混じっていて、食べていて面白いのも魅力の一つ。

・primopiatto-1
一皿目の手打ちパスタ

一皿目の手打ちパスタ

シェフは手打ちパスタがお得意ということもあり、ランチでも手打ちパスタを常時2皿構成にされています。

しかも、手打ちパスタは冷凍保存(作り置き)せずに、お客が来店する数時間前に人数分だけ手打ちされているので、本当の意味での「生」パスタがいただけるわけです。

この日の一皿目の手打ちパスタは、「季節の豆を包んだラビオリ 熟成南の島豚、ドライトマト、ヒヨコ豆のスープ」。春をギュッと詰め込んだような豆のテイストを内包したラビオリは、その食感だけでもユニークで楽しめますが、それをさらに引き立てる「ヒヨコ豆のスープ」が超秀逸! ヒヨコ豆の出汁にドライトマトとガルム(イタリアの魚醤)を付与したスープは、まるでコンソメのような深い色合いと、澄んだコク、優しい香りが感じられ、熟成南の島豚との相性も抜群なのです。

・primopiatto-2
二皿目の手打ちパスタ

二皿目の手打ちパスタ

続いて2皿目の手打ちパスタは、これまた春を感じさせる「春キャベツのピュレで和えラガーネ イタリア産カラスミがけ」。とてもクリーミィな春キャベツのピュレと、それに馴染むように絡むラガーネ(きし麺のような平たい形状のパスタ)が、何とも心地良い舌触り。また、イタリア産カラスミが程よい塩気と香りのアクセントとして実に良い仕事をしています。

次ページからは、メイン料理やドルチェの数々を御紹介します。