季節感と素材感を活かした料理「センプリチェ」
観光名所の多い伏見エリア
伏見といえば「伏見稲荷」「名酒」「伏見桃山城」などがすぐ思い浮かびますが、ここは言わずと知れた京の南の玄関口。特に「伏見桃山」エリアはJR、京阪、近鉄が停車する駅が至近距離に並ぶ、京の南の玄関口とも言える交通の要衝なのです。不思議といえば不思議ですが、こんなに便利な伏見にこれまで本格的なガストロノミー料理を食べさせてくれるお店がほとんどなかったのですよね。
しかし、今年2013年3月1日に、小さくてもキラリと輝くハイクオリティなイタリアンが遂に誕生しました。その名は「
リストランティーノ センプリチェ」。場所は先述した京阪電鉄「伏見桃山駅」から特急で一駅の「中書島駅」徒歩すぐ。
店名は30代半ばのシェフ西山哲平さんが上質な素材をシンプル(イタリア語ではsemplice)にイタリアンとして提供したいという思いを込めて名付けられました。
「センプリチェ」の外観
西山さんは2004年にイタリアのフィレンツェにある名店「チブレオ」で海外武者修行を開始。その後はベルガモの三つ星ダ・ヴィットリオ、マルケ州の二つ星マドンニーナ・デル・ペスカトーレ、北部のトレンティーノ・アルト・アディジェ州の一つ星や、シチリアのタオルミナの5つ星ホテルなど、イタリア中を北から南まで渡り歩き、アルバイトも入れると計30軒もの一流レストランで修行されて、最後はバスクの人気店「ムガリッツ」、という実に多彩な経歴の持ち主。
また、西山さんは左京区のご出身ですが、ご自分の店を持つに当たってこの伏見の地を選ばれたのは、現在二人三脚でサービスを担当されている奥様のご出身地であったからだそうです。
「センプリチェ」の内装
お店はイタリア国旗の懸かった古い町家をリノベーションされた一軒家リストランティーノ。中に入ると、流れるのはモダンジャズ! 町家の古い造作のよいところは残しながら、焼いた杉板の壁や白い壁に加えたイタリアンテイストのヴィヴィッド・グリーンの壁から躍動感みなぎるシェフの心意気が伝わってきます。
奥のカウンター8席と手前の4人掛けのテーブル席に配された、光るクリームイエローの生地で張られた椅子がとても明るい印象です。
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