ビジネス文書の基本は「A4・1枚」
【前付・本文・付記】ビジネス文書の基本構成を知ろう
「前付・本文・付記」の3構成
構成は3つに分けられます。名称は「前付・本文・付記」です。それぞれの名前を暗記する必要はないのですが、どこに何を書くのかはおさえておきましょう。そのとき、「ランチの軽いコース料理」をイメージするとわかりやすいかもしれません。1.前付
最初に書きます。ここには「いつ」「誰が」「誰に」文書を発信するのか、情報を入れます。いわばコースの「前菜」。読み手に、これから本題に入る心の準備を整えてもらいましょう。
2.本文
中間に書きます。一番大事な部分なので面積も大きくなります。内容は標題(タイトル)に始まり、言いたいことを主文に書きます。この本文は、「メイン料理」にあたります。
注意したいのは社内文書と社外文書で使う用語が違うことです。社内文書であれば読み手はビジネス上の身内ですから、丁寧にしすぎず単刀直入に用件を伝えましょう。たとえば頭語(拝啓など)や結語(敬具など)は一切不要。また季語や挨拶文も原則として要りません。文中の敬語もできるだけ使わずに。字数を比べると、一般的に社内文書より社外文書が多くなる傾向にあります。
3.付記
最後に書きます。この付記にはメインである本文に付け足したい情報を入れます。ときどき手紙やメールで「P.S.」と書く人がいますが、追伸したい内容があればここに入れましょう。ただしビジネス文書では、「追伸」や「P.S.」にせず、「なお、……」と書くのが一般的です。
ここで知っておきたいポイントを説明します。
それは公式の文書であれば、追記はタブーということです。なぜなら「言い忘れたことがあるなら書き直す」のがマナーだからです。ただし、日常的にやり取りする文書なら、注意を喚起するテクニックとして「なお」書きが使えます。
たとえば会議通知書。持ち物や宿題があるとき、箇条書きして日時の後に書けば、読み手に見落とされるリスクがあります。そこで「大事な情報だから見落とさないで」の思いを込めて追記するのです。
また添付資料があれば、それぞれの標題と部数を記します。付記はおまけ。最後の「デザート」と思えば、わかりやすいでしょう。
「下記の通り・記・以上」の3点セットを使うと書きやすい
文書は、3点セットを意識すると書きやすくなります。3点セットとは「下記のとおり」「記」「以上」です。1つめは「下記のとおり」。「下記のとおり」は、これから箇条書きするサインとなります。
2つめは「記」。「下記のとおり」を受けて行の中央に「記」を書きます。続いて番号を振って箇条書きしてください。
3つめは「以上」。文書を終えるとき、右端に書いて「The End」のサインとします。
ビジネス文書の書式は「お弁当箱」だと考える
今回は書式について解説しましたが、難しく考えず、お弁当箱を想像してほしいのです。お弁当箱は、ふたを開けると仕切りがあります。書式も同じように「何をどこに詰めるかはおおよそ決まっている」ので、あなたはごはんやおかず、フルーツを相手や文書の目的によって詰めていけばよいのです。書式をおさえれば、きっといろいろな文書がスラスラ書けるようになるでしょう。
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