ランチ(5000円・税サ別)のコースより
・半熟卵のスペシャリテ
半熟卵のスペシャリテ
まずはランチ・ディナー共に登場する「半熟卵のスペシャリテ」。「アルページュ」、そして「ヴィザヴィ」時代から受け継がれたレシピによる5つの味を楽しめる卵料理の傑作です。京都だと「ラ・ビオグラフィ」のスペシャリテでもありますが、違いは卵の産地のみ。中原シェフは木津川の卵を使われています。
どちらの料理も素晴らしいですし、卵の違いによるテイストの違いを食べ比べてみるのも面白いかもしれません。私はどちらも食べましたが、確かに二人のスペシャリテには違いを感じました。これは卵の産地の差というよりも作り手の個性、でしょう。「料理は人」ですから、その微妙な違いこそが食べ手としては面白いのです。
・シェフの遊びゴコロ……
シェフの遊びゴコロ……その1
続いてはアミューズが2皿連続で登場です。一皿目は「焼いたパートブリックに鴨肉を詰めたコルネ」。柔らかい鴨肉とパートブリックのパリパリとした食感のコントラストが印象的な仕上がりです。
シェフの遊びゴコロ……その2
二皿目は「ホウレン草のスープ」。実にシンプルなルックスですが、フュメ・ド・ポワソンによる海の香りが効いた、コクのあるテイストが食欲を優しく駆り立ててくれます。寒い冬にはありがたい温かいスターターでした。
・蟹とアヴォガドのサラダ オレンジ風味
蟹とアヴォガドのサラダ オレンジ風味
前菜は「蟹とアヴォガドのサラダ オレンジ風味」。「香住の蟹」に「蕪」や「胡瓜」を和え、そして上に「雲丹」を添えた一皿で、見た目の彩りの良さはもちろん、蟹と各食材の相性の良さも抜群の仕上がり。一月初旬のコースらしく「七草の繁縷(はこべ)」や「芹(セリ)」も散らしてあるなど、季節感があるのもいいですね。カニミソを使ったソースも円やかなコクと風味があり、さら付与された柑橘のアロマが寄り添うように全体を引き立てます。
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