家庭菜園/野菜別の育て方

ミニカボチャ・カボチャの育て方とコツ・栽培スケジュール

今回は、ミニカボチャ・カボチャそれぞれの育て方のコツをご紹介します。ミニカボチャの方は、家庭菜園や市民農園で、比較的コンパクトで立体的に仕立てられる野菜です。また、カボチャは、乾燥した荒れ地を好み、手間もかからないため初心者でもおすすめの野菜です。

小島 理恵

執筆者:小島 理恵

家庭菜園ガイド

家庭菜園にはコンパクトなミニカボチャがおすすめ

ミニカボチャ・カボチャの育て方!カボチャの栽培スケジュール

ミニカボチャ・カボチャの育て方!カボチャの栽培スケジュール

中南米が原産といわれているカボチャは、乾燥した荒れ地を好み、「干ばつ時の方がおいしくできる」といわれているほど。手間があまりかからず、自然農などの放任栽培にも向いています。地面をはって、大きな葉がどんどん広がっていくので、家庭菜園や市民農園なら、比較的コンパクトで立体的に仕立てることもできるミニカボチャが向いています。

ところで、カボチャが日本に伝来したのは17世紀。大分に漂着したポルトガル船が、当時の大名にカンボジア産のカボチャを贈ったのが最初と言われています。この時、「カンボジア」がなまって「カボチャ」と呼ばれるようになったそうです。
   

カボチャの栽培スケジュール

カボチャの栽培スケジュール

カボチャは、種を直接地面に蒔く「直播き」でもOK。ハロウィンに合わせて栽培スケジュールを立ててみるのも楽しいです。

苗から育てる場合は、4月下旬から5月下旬までが植え付け時期ですが、カボチャは種を直まきにすることもでき、その場合、5月以降の播種でも大丈夫です。8月下旬から9月上旬頃が収穫期となります。
 

ミニカボチャの栽培に準備するもの

もともと荒れ地を好む植物ですので、初期に肥料が効き過ぎると、「つるボケ」といってつるばかりがどんどん伸びてしまい、かえって実のつきが悪くなってしまいます。そこで、ある程度生育してから根に肥料が届くよう、植えつける前に深さ30cmほどの穴を掘り、完熟たい肥やボカシ肥などの有機質肥料を入れ、土を戻し、そこに、苗や種を植えつけるようにします。株間はミニカボチャなら70cmくらい、通常の大きさのカボチャなら1.5mくらいあけるようにします。

地面を這って生長していくものなので、植えつけの際に、敷わらやビニールマルチをしておくと雑草防止や泥はね防止になり、後の管理がラクになります。
 

ミニカボチャの育て方…生育初期をクリアーすれば、あとは放任でOK!

あんどん

初期の生育を助ける「あんどん」。

苗が活着して少し大きくなるまでは、風の被害をうけたり、ウリバエという害虫の食害を受けたりしやすいので注意が必要です。苗の周囲に4本支柱を立て、そこに、寒冷紗を筒状に仕立てる「あんどん」をしておくと、風や害虫対策に有効です。大きなビニール袋の底を抜いて筒状にして、寒冷紗の代用とすることもできます。

40cm~50cmくらいに生育し、葉があんどんの上まで伸びてきたら、あんどんを外します。これくらい大きくなれば、ウリバエに喰われたりしても株が弱る心配はありません。
 
カボチャの花

カボチャの花の様子。敷きわらをして育てるのが伝統的。

あとは、とにかく大きくさせるだけ。周囲に雑草が茂ってしまい、あまりにも日光がさえぎられてしまうようであれば、1~2回除草しますが、基本的には放任で大丈夫です。日本カボチャなら、花が咲いてから30~40日、西洋カボチャなら50~60日が収穫の目安です。実が大きくなり、実の付け根の茎が、茶色く枯れてきたら収穫します。

 

ミニカボチャを立体的に

カボチャの立体仕立て

カボチャを棚で仕立てる。

冒頭で書いたとおり、通常のカボチャは、一枚の葉の大きさが直径30cm程になり、つる植物でどんどん地面を這っていくため、広いスペースが必要となりますが、「栗坊」「プッチィーニ」といったミニカボチャなら、立体的に仕立てることも可能です。棚型やドーム型に支柱を仕立て、そこにネットをかけて固定し、つるが絡みやすいようにしてあげると、写真のように立体的に仕立てることができます。葉が大きく風を受けやすいため、台風などの被害を受けないよう、しっかりとした躯体を作っておくことが必要ですが、地面に這わせない分、雑草や泥はね対策の心配がなくなります。

オレンジの縦線が入る「プッチィーニ」や、レモン型で皮ごと食べられる「コリンキー」、オレンジ色でヒョウタン型の「バターナッツ」など、変わり種のミニカボチャを立体的に仕立てれば、夏のキッチンガーデンのポイントになり、見て、食べて、2倍楽しむことができそうですね。
 

寝かせた方がおいしくなるカボチャ

カボチャは収穫してからしばらく寝かせて、でんぷん質と糖質が等量になる頃が最もおいしくなるといわれています。
 
鹿ヶ谷南瓜

京野菜として有名な鹿ヶ谷南瓜

カボチャの品種は、大きく、「日本カボチャ」「西洋カボチャ」「ペポカボチャ」の3タイプに分けることができます。縦に深い切りこみが入った「菊座」や、京野菜で有名なひょうたん型の「鹿ヶ谷」などがある日本カボチャは、水分が多くねっとりとしていて、出汁でじっくりと煮込む日本料理に向いています。収穫後1ヵ月ほど置くとおいしくなり、品種によっては「冬至のカボチャ」といわれるとおり、冬まで保存することも可能です。

西洋カボチャは別名「栗カボチャ」ともいわれ、「えびす」「黒皮栗」「赤皮栗」といった品種があります。日本カボチャは栽培に手間がかかることや、西洋カボチャの方が、ほくほくとして甘みが強く人気が高いことなどから、現在は、これらの品種が主流になっています。西洋カボチャは大体、収穫後1週間くらいで食べるのがおいしいといわれています。熟すると水分が減って内部が空洞になってくるので、手にとったときにずっしりと重く、軽くたたいてみると太鼓のような響きがするものを選ぶことが、おいしいカボチャ選びのポイントです。

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