人参はプランターでも地植えでも栽培可能
人参は地植えが一般的ですが、プランターでも栽培可能です
セリ科/一年草
学名:Daucus carota L.
色どりが良く、サラダや煮物に活躍してくれるニンジン。ニンジンには大きく分けて3つの系統があります。一般的に出回っているニンジンは「西洋系」と呼ばれるもので、「向陽2号」や「五寸ニンジン」などがあります。濃橙色で細長い「金時ニンジン」・「京ニンジン」などは「東洋系」と呼ばれるもので、煮崩れしにくく、煮物に適しています。この他に、沖縄産の「島ニンジン」という系統もあります。
ニンジンは、地植えで育てるのが一般的ですが、「ミニニンジン」・「ミニキャロット」という小さく育つ品種であれば、プランターで育てることも可能です。
そんなニンジンの栽培スケジュールや、育て方のコツ、手入れの仕方について、以下で詳しくお伝えします。なお、「オーガニックな栽培方法」をコンセプトに、できる限り化学農薬・化成肥料は使わないやり方をご紹介します。
人参の栽培スケジュール(春まき栽培・秋まき栽培)
ニンジンの栽培カレンダー
人参の栽培で準備するもの
■プランター栽培の場合- プランター(直径20cm以上のもの。長方形の場合は長さ20cm以上のもの)
- 培養土
- ミニニンジンの種
■地植えの場合
植えつける場所に堆肥・くん炭をすきこみ、水はけと通気性を良くし、元肥(完熟油粕など)をすき込んで準備しておきます。
ニンジンの種まき
ニンジンの種をまく際は「点まき」で行います。プランターの場合は、ペットボトルのフタなどを土に押し付け穴をつくり、その穴に5~10粒ほどの種をまきます。穴と穴の間隔は、5~10cm程度とします。
地植えの場合は、幅:65~75cm、高さ:10cm程度の平畝をつくり、約8cm間隔で2列の穴をあけていき、そこに種をまいていきます。
種をまいたら土をかぶせて軽く押さえ、ハス口のついたジョウロでたっぷりと水をかけます。
発芽するまでは、土の表面が乾かないようにします。特に、プランターの場合は乾きやすいので、毎日、水やりをするようにします。
ペットボトルのキャップで穴をつくる
穴に種を5~10粒づつまく
人参の手入れ方法(間引き・追肥)
■間引き1回目本葉が4~5枚出揃ったら間引きをします。(間引き前)
■間引き2回目
植穴1ヶ所につき1本だけ残します。(間引き後)
間引いた芽は、セリのようなさわやかな香りがしておいしいので、サラダのアクセントなどにして楽しんでください。
■追肥(2回めの間引きが終わったら)
2回目の間引きが終わったら、追肥をします。株と株の間に完熟油粕などの有機肥料の粒を埋め込みます。プランターの場合は、液肥でも構いません。
ニンジンは、根の上部が日に当たると緑色になってしまいます。ある程度育ってきて、根の上部が土よりも上に見え始めてきたら、適宜、地植えの場合は土を寄せたり、プランターの場合は、少し土を足したりして、根が地上部に出ないように気をつけます。
ニンジンの収穫
ミニニンジンの場合、根の上部の直径が1.5~2cmになったら収穫します。
ミニニンジンの場合は、根の上部が直径1.5~2cmになってきたら収穫のタイミングです。地植えの場合、例えば「五寸ニンジン」という品種なら、根の直径が6cmくらいになってきたら収穫のタイミングです。
いずれの場合も、収穫が遅れると、裂根したり、固くなったりして美味しくなくなってしまいますので、ちょうど良いタイミングを逃さないようにしましょう。
注意!栽培中に人参につきやすい病害虫
ニンジンの葉につきやすい害虫としては、アゲハチョウの幼虫があります。防虫ネットをかぶせて、アゲハチョウの産卵を防ぐ方法がありますが、水やりがしにくくなってしまうのがネックです。もし、発生してしまったら、早めに取り除くことが一番の防除法です。また、手で取り除くのが困難な場合は、天然成分で有機JAS規格にも適応している殺虫剤「STゼンターリ顆粒水和剤」を散布するのも有効です。根の部分につきやすい害虫としては、ネコブセンチュウなどのセンチュウ類があります。地植えの場合は、近くにマリーゴールドを植えておくと、ネコブセンチュウの防除になります。
ニンジンの原産地はアフガニスタン周辺なので、もともと、高温多湿に弱いという性質があります。ですので、水はけと風通しの良いところで育てることが、病虫害に遭いにくくする一番のポイントとなります。
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