美味しそうなキヌサヤ
グリーンピースを入れた豆ごはんといえば、初夏の訪れを告げる一品。初夏の収穫のために、秋の終わり頃から育て始めます。エンドウマメには、さやごと食べる「サヤエンドウ」と、主に実を食す「実エンドウ」があり、実エンドウにはスナップエンドウやグリーンピースなどがありますが、収穫のタイミングを除いて育て方は同じです。
ツルが旺盛に伸びる野菜はベランダでは育てにくいですが、「矮性赤花絹莢(わいせいあかばなきぬさや)」といった草丈が50cmほどの矮性種もあり、収量は少ないですが、プランターで育てることも可能です。
えんどう豆のタネまき等の栽培スケジュール
種まきの時期さえ失敗しなければ、あとはそれほど手がかかりません。
植えつけ・準備するもの
秋の終わりに種をまいて、5月の収穫まで追肥を行いません。それまで肥料が保つように、元肥をたっぷり入れておきましょう。種まき前に土をスコップで掘り起こし、たい肥と発酵鶏ふんや米ぬか中心のボカシをすき込みます。酸性土壌を嫌うので、草木灰などの灰も一緒に混ぜておくと安心です。株間30cm、深さ3cm程度のまき穴をあけ、一つの穴に3粒ずつ種をまき、土をかぶせます。発芽するまでは鳥に食べられるのを防ぐため、寒冷紗で覆っておくとよいでしょう。
えんどう豆を収穫するまでの手入れの方法
イギリスでは、ネットを使わずに木の枝などをトンネル状に組んだものを見かけることもあります
春になったら間引きをし、株間30cmごとに1本ずつになるようにします。それと同時に支柱を立て、つるを誘引するためのネットを張ります。ちなみに、エンドウマメの若い茎葉は「豆苗(トウミョウ)」といい、中華料理でおなじみですね。間引きをした豆苗は、炒め物やスープなどで楽しんでください。つるを誘引するためのネットは、ホームセンターなどで売られています。支柱の棒を1mピッチ程の間隔で立て、そこに、ネットを張るようにします。
グリーンピースはさやがぱんぱんにふくらんだら収穫どき
種を3粒ずつまくのは自然の摂理
植えつけ際、種は一つの穴に3粒ずつまくという説明をしました。野菜の種類によって、1粒ずつまくものや3粒ずつまくもの、また、すじ状にまいて、発芽してから間引きをしていくものなど、実は、野菜の品種ごとに種のまきが違います。これは、なぜでしょうか?エンドウマメの種の状態を思い浮かべてみて下さい。一つのさやに3~5粒ほどの種が入っていますよね?自然の状態では、このさやごと土に落ちて、翌年、発芽していきます。ですから、私たちが種まきをする際にも、それに近い状態をつくってあげることが発芽率を上げる方法となるのです。もともと、植物は、子孫を残すために種をつくります。ですから、種は繁殖に都合の良い形や数となって進化してきています。ですから、よりよく育てるためには、種の形や特徴をよく観察し、その特徴を活かして種まきをすることが、理にかなった方法だといえるのです。
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